カープ坂倉 恩師・小倉前監督の前でV弾 試合終了後に深々と一礼、活躍に「ホッとしてます」
「ヤクルト0-8広島」(30日、神宮球場)
広島・坂倉将吾捕手(25)は試合が終了するとスタンドに向けて帽子を取り、深々と頭を下げた。その先には観戦に訪れた日大三時代の恩師、小倉全由前監督の姿があった。
プロへと送り出してくれた恩人の前で見せた攻守にわたる活躍に「ホッとしてます」と笑顔を見せた。
まずは二回無死一塁の場面でサイスニードの速球を右翼スタンド中段まで運ぶ豪快な先制7号2ラン。五回には適時二塁打で追加点。さらに七回には中前打を放ち、今季2度目の猛打賞。とくれば三塁打でサイクル安打となるが、九回は四球で達成とはならなかった。「(サイクル?)松山さんに言われて気付きました。余計なこと言ってくれたなって思いました」とニヤリ。
記録はならなかったが、打率・301と今季初めて3割に乗せた。4月終了時点では・227。そこから一気に上げ、6月は59打数23安打で打率・390、3本塁打、10打点。守りでは好リードで九里を完封に導いた。
捕手専任を決めた今季。春先は守備への負担から本来の打撃は鳴りをひそめていたが、ここに来て本来の打撃を取り戻した。新井監督は「捕手はブランクもあるし大変と思ったけど、当初の自分が思っていた想定よりもはるかに成長するスピードが速い。うれしいです」と目を丸くした。上位2チームの背中はくっきり見えた。攻守の要に成長した坂倉が浮上の原動力となる。