新井カープ またまた左腕打てず完封負け 逆転優勝へ課題明確→対左9勝18敗、首位阪神と3・5差
「広島0-2阪神」(5日、マツダスタジアム)
もどかしい敗戦だった。広島はまたしても阪神・大竹を打ち崩せず、5安打完封負け。これで大竹とは今季4試合対戦して0勝3敗、計29回2/3で1点しか奪えていない。チームとしても相手先発が左投手だった場合、9勝18敗と大きく負け越している。逆転優勝へ向けて、早急に課題への対策が求められる。
大竹がマウンドで左拳を力強く握ると同時に、スタンドからはため息が漏れた。5安打無四球でのプロ初完封を許した瞬間だ。またしても天敵に屈した。新井監督は言葉をかみしめながら試合を振り返った。
「うちだけでなく、どこも点を取れていないわけだから。良いアプローチをした打球も結構あったので前回対戦したときより、内容的には良かったと思う」
初回2死一、二塁は田中が見逃し三振。立ち上がりの好機を逃すとゼロ行進が続いた。140キロ台前半ながらキレのある直球を軸とし、緩急をつけた投球に苦しんだ。二~六回は西川の安打による走者1人しか出せなかった。
0-2の七回は1死一、二塁とした。ベンチには4月19日の対戦で大竹から適時打を放つなど、対大竹が9打数3安打、打率・333の上本が控えていた。代打策について問われた指揮官は「考えていなかった」と答え、理由を説明した。
「アツ(会沢)も5の3、打っていたのかな。マット(デビッドソン)もまだ2打席しか立っていない」
この試合前まで会沢は対大竹が5打数3安打、打率・600。デビッドソンはこの試合の対戦で惜しいファウルがあった。指揮官は総合的に判断し、そのまま送り出した。だが、デビッドソンが遊飛。続く会沢は空振り三振に倒れた。
これでチームは大竹と今季4試合対戦して0勝3敗、対戦防御率0・30。23回連続で得点を奪えておらず、苦手意識が浮き彫りになった。
首位・阪神とのゲーム差は3・5、貯金も再び5に戻った。上位を維持し続けるためには今後、大竹を打ち崩さなければならない。
「全員左を並べるとかしか今は考えつかないけど、何かやらないと」と朝山打撃コーチ。大竹は右打者より左打者の被打率が高いことから、次回対戦では大胆な起用も検討する考えを明かした。
指揮官もリベンジを見据える。「きょうの映像を見直して、次に当たるときに備えてプランを立てていきたい」。苦手意識を振り払い白星を手にすることができれば、チームにもっと大きな推進力が生まれるはずだ。