カープ松山 代打通算100Hで逆転サヨナラ 神様降臨!「アツのリストバンド」装着で初球決めた
「広島東洋カープ4-3読売ジャイアンツ」(4日、マツダスタジアム)
最後に劇的なドラマが待っていた。1点を追った九回、小園の右前適時打で同点とし、なおも九回1死満塁。代打の切り札である松山竜平外野手(37)が、一塁への適時内野安打を放ち勝負を決めた。自身代打通算100本目の記念打で、チームは今季4度目のサヨナラ勝ち。首位・阪神とのゲーム差は1・5のままと、カープが猛虎を追走していく。
歓喜の中心に松山がいた。菊池に浴びたキックの痛みも心地よい。チームメートから勝利のウオーターシャワーを浴びながら、最高の笑顔の花が咲いた。自身通算4度目の代打サヨナラ打でチームの底力を示した。
「この回(自分の出番は)6番、そこしかないと思っていた。この回が始まるときには全力でスイングして動いて、準備はできていました」
ドラマは1点を追った九回、菊池の右前打から。1死満塁となり、まずは小園の右前適時打で同点に。そこで代打・松山のアナウンスに球場がひとつになる。初球を振り抜き一塁へサヨナラ適時内野安打を勝ち取った。
「アツ(会沢)の力も借りました。行く前に、アツのリストバンドをつけた」
五回の攻撃。先頭の会沢が左腕への死球で負傷交代をしていた。共にベテランとしてチームを引っ張る存在だ。思いを込め打席に立ち、球団史上4人目の代打100安打目となる一打で、歓喜の瞬間をもたらした。
新井采配がズバリ的中したサヨナラ勝利でもある。
菊池が右前打を放ち無死一塁。続く2番・野間に送りバントのサインは出なかった。この強攻策が当たる。野間が中前打でつないで広げた好機が、2得点へつながった。
新井監督は采配の意図をこう説明した。
「送るという選択肢もあったと思うんですけど、仮に送っても、相手が中川くん。良い投手。送ったとしても選手が、打つのを待つだけになる。それが嫌だった。野間は四球も選べますし、あそこは野間に懸けました」
ベンチの思いに選手が応え、もぎとった大きな白星は、チームにさらに大きな上昇気流をもたらすはずだ。
3位・DeNA、4位・巨人とのゲーム差は5・5となり、阪神とは1・5差のまま。新井鯉には、3連覇を成し遂げたチームのような粘り強さや団結力がある。
「今のチームはすごく楽しいし、強いので。このままいけると思います」
負けられない8月戦線。力強い松山の言葉が何よりも頼もしい。
◆松山の通算4度目!代打サヨナラタイムリー!! 松山の代打サヨナラ適時打は通算4度目。過去3度は①2013年4月21日・巨人戦(マツダ)延長十一回=二安打②18年9月23日・DeNA戦(マツダ)九回=右安打③22年8月17日・中日戦(マツダ)延長十一回=左中2。なお、16年6月26日・阪神戦(マツダ)九回の中飛失によるサヨナラ勝利もあった。