天国から地獄、広島6連敗 延長十回連続被弾でサヨナラ負け 主力離脱に投打チグハグも新井監督「全然つらくない。関係ないから」
「中日ドラゴンズ2-1広島東洋カープ」(13日、バンテリンドーム)
広島は1点リードの延長十回、守護神の矢崎拓也投手(28)が2者連続被弾。リーグワーストとなる今季7度目のサヨナラ負けで、昨年8月以来となる6連敗となった。中日・柳に九回までノーヒットノーランに封じ込まれながら延長十回に堂林の一発で一度は勝ち越したが、天国から地獄へと突き落とされた。
あとアウト3つでトンネルの出口は見えるはずだった…。
1点リードの延長十回、逃げ切りを狙ってマウンドに上がった矢崎が打たれる。先頭の石川昂にボール気味の高め147キロを左翼中段まで運ばれる同点弾。続く宇佐見にはカウント1-1からの内角146キロを、今度は右翼席へのサヨナラ本塁打にされた。
連敗脱出を目前にしてのサヨナラ負け。矢崎自身は新人時代の2017年4月28日・DeNA戦以来、6年ぶりの黒星にぼうぜんとなった。
「最後、僕が試合を決めてしまって申し訳ないというのはありますけど。黒星自体は僕のミスなので、そこについて当然でもありますし、ありがたい体験ではあると思います」
栗林の不振からシーズン途中に抑えに転向。6月14日・楽天戦で浅村に一発を打たれて同点に追いつかれたことはあったが、ここまで0敗の数字が示す通り、セーブ機会で失敗することなく最後を締めてきた。新井監督も「彼がああなったら、それはもう仕方のないことだと思います」と責めることはなかった。
柳の前に九回までノーヒットノーランと完璧に封じ込まれた。それでも延長十回に堂林が相手守護神のマルティネスから劇弾。三塁ベンチは大盛り上がりだったが、数分後に暗転した。
これで6連敗。ビジター6連戦を5敗1分けで終えた。前カードは3試合で29失点と打ち込まれ、今回の中日3連戦では3試合で11安打6得点と貧打に苦しんだ。
投打がかみ合わない厳しい状況にも、指揮官は「全然つらくない。関係ないから。何でもどんと来いという感じ。また明日休んで、あさってからに備えたい」と変わらず前を向いた。
15日からは首位・阪神を本拠地マツダスタジアムに迎えての3連戦。マクブルーム、秋山が離脱と主力を欠く中、苦しい戦いは続く。それでも「関係ない」。今季、躍進の原動力となった全員野球を信じて向かって行くだけだ。(達野淳司)
◆矢崎が6年ぶり黒星… 矢崎が敗戦投手となったのは2017年4月28日・DeNA戦以来、2298日ぶり。17年5月5日・阪神戦から前回登板の23年8月11日・中日戦まで103試合連続負けなしで、今回が104試合ぶりの黒星となった。