カープ小園 同点弾のちV打で阪神M点灯阻止 連敗も6で止めた!意地の一打は「気持ちで打ちました」

 6回、勝ち越し適時打を放ち塁上で雄たけびを挙げる小園(撮影・田中太一)
 6回、左前へ勝ち越し適時打を放つ小園(撮影・立川洋一郎)
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 「広島東洋カープ7-6阪神タイガース」(15日、マツダスタジアム)

 広島・小園海斗内野手(23)が勝負強さを発揮してチームの連敗を6で止めた。初回に同点の4号2ランを放つと、再び同点に追い付いた六回は勝ち越しの適時打で球場を盛り上げた。チームは先週の敵地6連戦で5敗1分け。連敗中の重い空気を好調なバットで吹き飛ばして、首位・阪神の優勝マジック点灯を阻止。赤ヘルの意地をぶつけた。

 迷うことなく振り抜いた打球は、歓声とともに左翼の芝生で弾んだ。負けられない戦いで、小園が打った。塁上で決めた派手なガッツポーズ。「気持ちで打ちました」。希望をつないだ値千金の勝ち越し適時打。ベンチ全体を大興奮に巻き込んだ快音が、マツダスタジアムを揺らした。

 5-5の同点に追い付いた六回だ。14分間の降雨中断を挟み、2死一、二塁で打席が巡った。ここで島本の初球、高めフォークを捉え、遊撃の頭上を越える左前適時打。割れんばかりの拍手を浴び「チームのいい雰囲気に乗せてもらって打つことができた」と仲間に感謝した。

 今季106試合目。今回の3連戦は1敗でもすれば自力優勝の可能性が消滅するという厳しい状況で迎えた。チームは1分けを挟み6連敗中。そんな停滞ムードを、立ち上がりに打ち破ってみせた。

 2点を先制された直後の初回1死一塁では、西純から同点の4号2ラン。「(点を)取られた後に、すぐ取り返すことができて良かった」。本塁打は12日・中日戦以来、2試合ぶり。甘いスライダーを右翼スタンドに突き刺した。

 3点を追う五回は無死一、二塁で二ゴロ併殺打。悔しさをにじませならベンチへと戻ったが、続く西川が2死三塁から左翼線に適時二塁打を放った。12打席ぶりの快音に「やっとヒットが打てました」と息をつく。さらに2死二塁から代打・会沢が「必死で食らい付いた」と、しぶとく中前へ落とす適時打で1点差に迫った。

 頼れる先輩たちがカバー。そして直後の打席では、自分が最高の仕事をやってのけた。真骨頂は初球から仕掛ける打撃。「本当に、いい投手が多い。後ろ(試合終盤)になってくると1球で仕留めないと終わりなので」。持ち前の積極性でチームを救い、打線全体に活気を与える姿が頼もしく心強い。

 6連敗中でも新井監督は「全員で、一つの勝ちをもぎ取る」とナイン一丸を強調。その言葉通りにこの日は劣勢ムードをはね返し、虎の優勝マジック点灯を阻んだ。まさに粘り腰。そこに、新井カープの底力が凝縮されていた。

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