広島・床田“2冠”投げて打って虎に勝ち越し!リーグトップタイ10勝目&防御率トップ

 自身初の二桁勝利を挙げ、ポーズを決める床田(中央)。右は矢野、左は大盛(撮影・田中太一)
 4回、ライトオーバーの適時二塁打を放つ床田
 完封した床田(28)を迎える新井監督(撮影・立川洋一郎)
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 「広島東洋カープ6-0阪神タイガース」(17日、マツダスタジアム)

 広島の床田寛樹投手(28)が5安打無失点で自身初の二桁10勝を今季2度目の完封で飾った。球団の日本人左腕の10勝は01年・高橋建以来22年ぶり。勝ち星はリーグトップタイとなり、防御率1・90もセ界トップだ。チームは3カードぶりの勝ち越し。自力Vは消えたままだが、阪神追走へ勢いをつけた。

 いつもと変わらない床田がマウンドにいた。直前まで雨に打たれていたとは思えない力強い投球だ。五回。小野寺、坂本、木浪をピシャリ。試合の分岐点を10球で乗り越えた。

 「気にせず、また初回から始まったという気持ちで投げた」

 ずぶぬれになった。1点を奪って迎えた四回の攻撃。1死一、二塁で床田は右翼越えの適時二塁打。さらに2死満塁となった場面で雨脚が強くなった。三塁走者の左腕は雨粒を体いっぱいに浴びた。午後7時25分に試合が中断した。

 「中断とかあまり経験がない。でも結構スムーズに試合に入れたのは良かった」

 難しい調整。着替えを終えると、五回の登板に備えブルペンでキャッチボールした。気持ちの部分では「オンとオフをしっかり」とリラックスを心がけた。34分間の中断を経て試合再開。できる限りの準備が、その後の快投につながった。

 八回を終え6点差。ベンチでは、新井監督と話をする床田の姿があった。

 「僕がわがままを言った。1年に(完封を)2度したことがなかったので、したいと思っていた。こんなチャンスはなかなかない」

 指揮官に続投を志願。大声援を背に九回も腕を振り抜き、大山、ノイジー、小野寺の中軸を封じた。球数は今季最多の122球。自身初の二桁10勝を5安打無失点の完封で飾った。

 前日までの2試合で中継ぎ陣はフル回転していた。救援陣を助ける完封に新井監督は「ブルペンも助けてくれたし本当に頼りになる。ナイスピッチング」と声を弾ませた。

 開幕から先発陣の中心としてチームをけん引してきた左腕が、3度目の挑戦で10勝の壁を乗り越えた。勝ち星もリーグトップタイとなり、防御率1・90もリーグトップだ。その存在が頼もしい。

 球団の日本人左腕の10勝達成は01年・高橋建以来22年ぶりでもあった。床田は「それぐらい左投手が良くないので何とか勝てて良かった。でも、もっと僕以外に良い左投手がいるので、頑張ってもらって、一緒に僕も負けないように頑張りたい」と力を込めた。追いかける阪神の背中。床田がその先頭に立つ。

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