カープ堂林弾!8月3発目で巨人に勝ち越し 首位阪神に「泥くさく食らい付いていけば」
「広島東洋カープ7-5読売ジャイアンツ」(20日、マツダスタジアム)
広島・堂林翔太内野手(32)が価値ある一発を放って、チームを2カード連続の勝ち越しに導いた。4-3の五回2死一、三塁で中越えに7号3ラン。これで8月は3本目の本塁打となり、今月の打率も・342と状態を上げている。チームは今季初めてマツダスタジアムで1試合3本塁打。一戦必勝で白星を積み上げていく。
はじき返した打球は鮮やかに夜空を舞った。堂林らしさの詰まった中堅方向へのアーチに本拠地のファンが酔いしれる。ホームベースを踏むと仲間とハイタッチを交わし、自然と笑みがこぼれた。「いいスイングができた」と自画自賛の7号3ランで勝利を支えた。
1点差の五回だ。四回に3点を返されて相手の追い上げムードも高まっていた。だが、そうはさせない。2死一、三塁で田中千の152キロをジャストミート。打球はそのまま、スタンドに吸い込まれた。1ボールからの2球目を仕留めた一発。「変化球が来たら『空振りしてもいい』くらいの感じ。こちらが有利だった分、思い切っていけたのかなと思います」。打席の中での割り切りも奏功し、球場全体を揺らした。
13日・中日戦以来の一発は今月3本目。8月の月間打率は・342となり、7月の・308からさらに上昇させてきた。「夏は強い方ではないけど、(試合に)出たり出なかったりしている分、体調を整えて出ようと思っている。それがいい方向にいっている」と好調の要因を分析した。
スタメンに名を連ねる日もあれば、緊迫した場面の代打で登場する日もある。しかし「準備の部分でやることは変わらない」とスタイルは不変。そんな姿が頼もしい限りだ。
17日には32歳の誕生日を迎えた。同日のナイターを終えて帰宅すると、家族が用意してくれたチョコレートケーキをほおばった。子どもたちは先に食べており「もう切れているケーキを一人で食べた」と苦笑い。翌朝には用意してくれた手紙も受け取った。「活躍していることが子どもたちもうれしいと思うし、しっかり頑張ろうと思う」。かっこいいパパであり続けるため、勝利に貢献していく。
価値ある本塁打に新井監督も「すごく大きかった」と称賛。首位・阪神のマジックは26になったが、奇跡を信じて目の前の一戦に全力を注ぐだけだ。「泥くさく食らい付いていけば、おのずとチャンスは出てくる。若い子たちには負けないように、自分自身を鼓舞しながらやっていけたら」と堂林。働き盛りの32歳には、もっと大きな仕事が待っている。