「広島東洋カープ４－３東京ヤクルトスワローズ」（２５日、マツダスタジアム）

　広島が今季５度目のサヨナラ勝ちで再び貯金を「１２」に戻した。同点の九回、無死満塁から坂倉が右翼へ犠飛を打ち上げ、試合に終止符を打った。チームは今季、マツダスタジアムでのヤクルト戦は負けなしの１０連勝を飾った。

　同点の九回は相手失策と申告敬遠で無死一、二塁。矢野が送りバントを決めたが、清水が一塁へ悪送球。満塁とサヨナラの好機が拡大し、坂倉が追い込まれながらも変化球をきれいにすくい上げ、犠飛とした。ノーヒットで緊迫した試合に終止符を打った。

　初回にクリーンアップが機能して３点を先制するも、以降はヤクルト投手陣に封じ込まれた。先発の森は三回までに３失点し、試合を振り出しに戻されたが、以降は粘りの投球で七回途中までマウンドを守った。七回途中からは大道、島内、栗林とリリーフ陣もバトンをつないだ。

　試合後、新井監督との一問一答は以下の通り。

　（テレビインタビューで）

　－坂倉がサヨナラ犠飛。打球が上がった瞬間の心境は。

　「追い込まれていましたけど、サク（坂倉）だったら何とか当てて前に飛ばしてくれるだろうと思っていました」

　－初回の先制攻撃も小園が起点。

　「彼もここ最近ずっと状態がいいですし、打つだけじゃなしに今日最後の相手のミスを突いたセカンドへの進塁だったり、走る方も守る方もしっかりやってくれていますね」

　－中継ぎ陣の好投も光った。

　「まずは（先発の）森も、よく試合をつくってくれましたし、（七回１死二塁で登板した）大道も相手に流れがいっている中で勢いを止めてくれました。その後にいってくれたブルペン陣も本当に頼りになります」

　－阪神を追走する戦いが続く。

　「私たちは、いつも言っているように一戦一戦、全員でカープの野球、全員野球でやるだけ。相手のことは私たちではコントロールできない。明日も全員野球で頑張りたいと思います」

　（囲み取材へ移り）

　－初回は２死無走者から足を絡めた攻撃。

　「２アウト、ランナーなしからというのは（今季）けっこう多いでしょ。そこは選手の意識の高さじゃないですか。また、２アウトから点を取ったら相手もダメージが大きい。２アウトだからシュンとなるのではなく『ここからいってやるぞ』と。みんなそう思ってくれているんじゃないですか。それが、そういう攻撃につながっていると思う」

　－走者を出してから大道を投入。

　「球も強いし気持ちも強いのでしっかり腕も振れる。イニング途中、相手に流れがいっている時にそこを止めにいくのは彼の気持ちの強さ、腕の振りの強さだと思いますよ。彼も最初（今季序盤は）ビハインド（の展開）から始まりましたけどすごく成長してくれていますし、今のポジションは彼がつかんだもの。本当に成長してくれている」