カープ堂林 サヨナラ打で曽根の神生還呼んだ 先制されても→3点差ひっくり返されても→執念の逆転星
「広島東洋カープ6-5横浜DeNAベイスターズ」(5日、マツダスタジアム)
広島が劇的なサヨナラ勝ちを収めた。同点の延長十回2死一、二塁で、今季初めて1番に入った堂林翔太内野手(32)が自身4年ぶりのサヨナラ打。二走・曽根海成内野手(28)の“神走塁”も光り、まさにチーム一丸で一勝をつかんだ。今季6度目のサヨナラ勝ちで、3年連続でDeNA戦のシーズン勝ち越しも決定。逆転Vへ、執念で首位・阪神に食らい付いていく。
堂林が放った打球が中堅方向へ抜けると、場内は大歓声に包まれた。仲間の“神走塁”にもアシストされ、劇的なフィナーレをファンに用意した。逆転Vへ希望をつなぐ今季6度目のサヨナラ勝ち。2019年9月12日・中日戦以来、4年ぶりのサヨナラ打を放ったヒーローは「何とか事を起こしたい気持ちがあった。とにかく(曽根が)ナイスランでした」と満面の笑みだ。
延長十回2死から曽根、矢野が連続四球を選び一、二塁の好機で打席が巡った。ここで山崎からしぶとく、中前に運んだ。DeNAの外野陣は極端な前進守備を敷いていた中、誰もが手に汗握るクロスプレー。歓声とももに二走・曽根は全速力で三塁を蹴り、本塁目がけてタッチをかいくぐりながらのヘッドスライディングで、判定はセーフ。DeNAがリクエストを要求するも判定通りで、劇的な勝利が訪れた。
最後はヘルメットを飛ばすほどの勢いで、本塁を陥れた“神走塁”を見せた曽根は「間を抜けた時点で正面(の打球)だったら絶対『ホームヘッドスライディング勝負』だろうなと思っていた。イメージしていた動きと体が一致した感じで良かった」と胸を張った。
苦しい展開になっても、誰一人として下を向いていなかった。3点リードの八回に島内が桑原に同点3ランを被弾。九回は矢崎が押し出し四球で一時は勝ち越された。勝利への道筋に暗雲が垂れ込めたが、九回2死から同点とした。
新井監督は曽根の走塁に「本当に『絶対にかえってやるんだ』という気迫を感じた。ナイスランだったし、アカ(三塁ベースコーチの赤松外野守備走塁コーチ)もよく回してくれた」と各自の果敢な姿勢を称賛した。
3年連続でDeNA戦のシーズン勝ち越しも決めた。目指すは奇跡の逆転V。堂林は「九回、野間が同点打を打ってくれたので、僕(の一打)がある」と話し、途中出場の多い曽根も「何か爪痕を残せたらいい、といつも思ってやっています」とうなずく。仲間に感謝しながら、個々が任された役割を全うする。そこに新井カープの底力が凝縮されている。
◆3年連続DeNA戦勝ち越し 広島が今季DeNA戦を13勝8敗1分けとして勝ち越しを確定。これでDeNA戦は2021年から3年連続でカード勝ち越しとなった。