明暗を分けた「先発の代え時巡る判断」 カープ痛恨黒星の理由を評論家が分析
「阪神タイガース5-1広島東洋カープ」(10日、甲子園球場)
広島が阪神との直接対決で悪夢の3連敗を喫し、逆転Vの可能性が限りなく遠のいた。阪神の優勝マジックは「5」に減り、ゲーム差は11。デイリースポーツ評論家・岡義朗氏(69)は「先発投手の代え時」が勝敗を分けたと分析した。
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広島にとっては先発投手の代え時を巡る判断の難しさが出たゲームとなった。
序盤から飛ばしていた九里は七回終了で108球を投じて、2安打1失点。数字の面ではまだまだ投げられそうに見えるが、七回の投球内容からはもういっぱい、いっぱいという印象を受けた。
直後の八回の攻撃。2死から8番・会沢が打席を迎えた時、ネクストバッターズサークルには坂倉が立った。会沢が出塁していれば、恐らくそのまま坂倉が代打に出たはずだ。
降板が頭をよぎった中で、最終的に九里は八回も続投。こういう局面での投手心理は難しい。先頭の近本に対してストライクが入らず、結果的に勝ち越しを許した。
七回1死満塁で代打を送られず、自ら打席に立って三ゴロ併殺打に倒れながら、直後の八回を三者凡退に抑えた阪神先発の伊藤将とは、明暗が分かれてしまった。
3連戦3連敗で優勝は厳しくなったが、CSという目標もある。この試合で乱れた守備を立て直し、もう一度、チーム状態を上げていきたい。