広島・塹江誓った原点回帰 直球磨き直して豪腕復活だ 「左打者をしっかり抑えられるように」
広島の塹江敦哉投手(26)が原点回帰を誓った。今季、自信を持てなかった直球を磨き直すとともに、左打者を確実に抑えることを今後のテーマとした。豪腕復活で、再び打者をねじ伏せる投球をする。
自身の武器を再び追い求めることが1軍への道につながる。原点回帰。塹江が復活への思いを言葉に変えた。
「しっかり真っすぐが投げられるように。あとはもう一度、左打者をしっかりと抑えられるようにしたい」
8試合に登板し0勝0敗、防御率5・14。7月7日の中日戦で1回3安打1失点し、その後登板機会がなく同月27日に出場選手登録を抹消された。登板数は今季を含めここ5年間で最も少ない。
「出力は出ていた。でも真っすぐ、スライダーを投げ分けても、どっちも対応された。対応されている雰囲気を感じると、なかなか攻めづらくなった」
四球数は減った一方で思い切り腕が振れない状況があった。右打者の被打率は・286。得意としていた左打者も抑えられず、被打率は・375まで上昇した。
「左打者の内角に直球を投げきれなかった」。左打者を抑えるため、7月末の1軍抹消後はツーシームを投球のよりどころにした。懐を突くのが狙いだった。それでも8月6日のウエスタン・ソフトバンク戦で1回6失点。直球を封印しツーシーム、スライダー、フォークだけでは結果に結びつかなかった。
自問自答した。島内が直球を軸にして打者を打ち取る姿も強く印象に残った。「自分もそこを目指すじゃないけど、しっかり真っすぐを投げ切りたい」。入団以来、150キロを超える剛球で打者をねじ伏せてきた。たどり着いたのは、もう一度全力で腕を振り抜き力強い直球を投げ込むことだった。
今月7日の阪神戦で、打球が左足を直撃。骨挫傷と診断された。痛みなどが回復するまで2週間程度は練習を制限。現在はメディシンボールに座ってキャッチボールをするなどしている。
「今年は競争にことごとく負けた。何回もあったチャンスで結果を残せなかった」
悔しさをこれからの原動力に変え、新たな一歩を歩み始めている。
◆塹江 敦哉(ほりえ・あつや)1997年2月21日生まれ。香川県高松市出身。投手。左投げ左打ち。慎重178センチ、体重88キロ。小学3年で野球を始める。高松北の1年時、投手に専念しエースとなる。2年夏の香川大会は4強。甲子園出場経験はない。14年度ドラフト3位で広島に入団。