広島・床田「2位で“こっち”でやりたい」自身3連敗中も秘策“森下チェンジアップ”で必勝
26日の中日戦(マツダ)に先発する広島の床田寛樹投手(28)が25日、CSファーストSの地元開催を誓った。この日、4位の巨人が3位のDeNAに敗れたため、今季の3位以内が確定。2018年以来、5年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出が決まった。マツダスタジアムでの投手指名練習に参加した左腕は自身のシーズン最終登板を有終の美で飾り、新井鯉に勢いをつける構えだ。
額にうっすらと汗をにじませながら床田は言葉に力を込めた。5年ぶりのCS進出が決まり、自身の今季最終登板はチームにとっても負けられない戦い。目指すのは本拠地でのCS開催だ。
「優勝がなくなって、2位でこっち(マツダスタジアム)でCSをやりたいと思ってやっている。後半は僕がずっと足を引っ張っている。何とか勝てたら良いなと思います」
ここまで自身初の2桁10勝(6敗)をマーク。防御率2・21と安定感ある投球で先発陣の中心としてチームを引っ張ってきた。だが8月17日の阪神戦以降は3連敗を含め4試合、勝利がない。
今月16日に出場選手登録を抹消され、10日間、疲労回復やフォームの再確認に務めてきた。スタンドの階段をダッシュするなどして体のキレを出す練習もした。「追い込むところはしっかり追い込んで、休めるところはしっかり休めた」。万全の状態でマウンドに上がれそうだ。
中日戦は今季2度目。細心の注意を払うのが立ち上がりだ。ここ2試合はいずれも初回に失点したことで出ばなをくじかれた。
「ちょっと配球を変えるとか、いろいろ対策は練っていきたい」投球の幅をさらに広げるための秘策もある。新球の「森下チェンジアップ」だ。持ち球にあるパームより球速は10キロ程度遅く、前回15日の阪神戦でも投じた。
森下がチェンジアップを投げた映像をスローモーションで確認したり、直接質問をぶつけ感覚などを聞いたりして習得を目指してきた。球速差がある落ちる球種2つを意識させれば、打者は狙い球を絞りにくくなる。直球もさらに生きる。相乗効果が期待できる。
「最近は良い投球ができていない。自分自身もちょっと不安があるけど、何とか最後に良い投球をして、良いイメージで終われるようにしたい」。前を向いて決意表明した。
見据えるポストシーズンにつなげるためにも大事な登板だ。快投で2位を死守し、笑顔で本拠地のマウンドを降りてみせる。