広島・床田 投げて良し!打って良し! 3安打猛打賞&7回2/3無失点で1カ月ぶり11勝目 CSも任せた 

 11勝目を挙げた床田はスタンドの声援に応える。左は9回を締めた栗林(撮影・田中太一)
 先発し、力投する床田
 7回、右線へ二塁打を放ち、猛打賞とする床田
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 「広島東洋カープ2-0中日ドラゴンズ」(26日、マツダスタジアム)

 広島の床田寛樹投手(28)が今季最終登板を白星で飾った。要所を締める投球で7回2/35安打無失点と好投し、1カ月ぶりとなる11勝目を手にした。バットでも2本の二塁打を放つなど3打数3安打。“二刀流”の活躍を見せた。2位を死守し本拠地でのCS開催を目指すチーム。残りは3試合。左腕がチームに勢いを付けた。

 夜空を切り裂く打球にスタンドが沸いた。二塁塁上の床田は少しだけ表情を崩す。七回2死二塁で右中間を破る、この日2本目の二塁打。誰もが驚く“二刀流”の活躍でチームを笑顔に変えた。

 「めちゃくちゃうれしい」。自身初の3安打猛打賞。自然と声が弾んだ。

 二回2死では左中間を破る二塁打。五回は遊撃への打球に全力疾走し内野安打を勝ち取った。チームが遠征に出ていた23日に参加した残留練習。ロングティーで流した汗の効果がすぐさま出た。

 「今年、森下がホームランを打っている。あいつ、打撃がめっちゃ良いって言われていますけど、僕の方が今年は打っている。僕の方が今年に関しては良い。イメージでは負けてるけど」

 3安打を加え11安打で打率・275とした。安打数と打率ではライバルを上回る。ただ、本塁打を打つことはできなかった。アーチは来季へ持ち越し。「もう一個タイミングを早く振れればな、という感じ」。打席に入れば投手は9人目の打者になる。打撃に力を入れ取り組む姿は頼もしい限りだ。

 本業の投球でも初回の2点を守り切る粘り強さが光った。五回1死満塁ではカリステを狙い通り遊ゴロ併殺打で仕留めた。

 新球の「森下チェンジアップ」は右打者に投じた。直球と同じような回転の遅球は、打者のタイミングを外す上で効果的となる。決め球としてのサインは出なかったが手応えは十分。CSでも大きな武器になりそうだ。

 右足首の骨折から復帰した今季。2度の出場選手登録抹消があったが、先発陣の中心として安定感ある投球で5年ぶりCS進出の一翼を担った。

 「すごいうれしい。(ローテを)飛ばしながらにはなりましたけど、規定もいけましたし」。球団左腕での11勝は19年のジョンソン以来で、日本人に限れば12勝した91年・川口和以来32年ぶりだ。

 2位死守を目指す戦い。3位・DeNAとの差は1・5のままで残り3試合に臨む。「3つ、全員で取れるようにしたい」。その言葉がチーム全員の思いだ。

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