広島・新井監督 全員野球貫く「失うものない。挑戦者のマインドで」 DeNA先発・東→今永に「どんどん走っていく」
広島・新井貴浩監督(46)が「2023 JERA クライマックスシリーズ セ ファーストステージ」を前日に控えた13日、挑戦者の姿勢を強調した。この日はマツダスタジアムで行われた全体練習を見守り、「準備もしっかりできた。あとは、あしたを待つだけ」と自信を持って選手を送り出す構え。今季の象徴でもある全員野球を貫き、ファイナルSで待つ阪神への挑戦権を勝ち取ることを誓った。
秋晴れの本拠地で汗を流す選手たちを、頼もしそうに見つめた。2位でCSファーストSに挑むが、胸に刻むのはチャレンジャー精神。新井監督はいつも通り落ち着いた口調で「いい意味で、失うものはない。挑戦者のマインドでぶつかっていきたい」と口元を引き締めた。
初戦の相手先発は東、2戦目が今永。簡単に連打は望めず、四球で好機を広げていくのも容易ではない。だからこそ「とにかくどんどん走っていく」と隙を逃さず果敢に次の塁を狙わせ、機動力を駆使して突破口を開く考えだ。
マツダスタジアムで臨んだ前日会見ではキーマンに末包を指名。レギュラーシーズンで自己最多の11本塁打を記録した男には今季、活躍した試合後に度々「(末包本人が打撃を)つかんだと言っていた」とユーモアを交えて称賛することが定番になっていた。
そしてこの日も「彼は『つかんだ』と言っていたのでCSでも期待したい」と“お決まり”の言い回しで若鯉の活躍を思い描いた。
末包も含め、小園ら若手にとっては初のポストシーズン。独特の緊張感が漂う舞台になるが、臆することなく積極性を貫く姿勢を求める。CSファーストS突破へ、必要なことを問われると「ミスを恐れないことかな」とうなずいた。
監督就任1年目のペナントレース。ミスが出ても、決して責めることなく選手を鼓舞してきた。CSでもそのスタンスは不変。「ミスを恐れず、どんどん球際を攻めていってもらいたい。打つ、投げる、走る、守る。全てにおいて、そういうふうに思ってプレーしてほしい」と貪欲な姿勢を後押しする。
目指すはリーグ優勝を決めた阪神とCSファイナルSで戦う挑戦権の獲得。真っ赤に染まる本拠地の声援も追い風に、DeNAを倒す。「シーズンもそうだったけど、全員で戦ってここ(CS)に出られるわけだから。全員野球というのは変わらない。岡田監督にもう一度、お会いできるように頑張ります」。一致団結の野球で“甲子園切符”をつかむ。