広島・大瀬良 吠えた魂の7回1失点「行けるところまでと」 末包失策で失点「末の気持ちも考えて、絶対に抑えようと」
「JERA CSセ・ファイナルS・第2戦、阪神タイガース2-1広島東洋カープ」(19日、甲子園球場)
跳ね、拳を握り、雄たけびを挙げた。1-1の五回2死一、二塁。広島・大瀬良が中野を空振り三振に斬った。感情が爆発。この試合にかける思いを全身で表現した瞬間だった。
「腕が振れていたし体も動いていた。行けるところまでと。しっかり投げられた」
立ち上がりから飛ばした。1点リードの二回1死一塁は右翼・末包がノイジーの右前打の打球判断を誤る失策で1点を失ったが、この回を最少失点で切り抜けた。「末(末包)の気持ちも考えて、絶対に抑えようと思った」。140キロ台後半の直球には力があり、制球も安定。7回3安打1失点(自責点0)でまとめた。
6勝11敗、防御率3・61で終えた今季。「完璧な投球は一度もなかった」。5月は右肘痛で登板間隔を空け、その後は痛み止めを服用しながら腕を振った時もあった。結果が出ない日々に「切り替えが難しかった」。それでも前を向き続けたのは、新井監督の常に前向きな言葉があったから。「僕たちは救われることが多かった」。チームは家族だった。
九回、木浪にサヨナラ打を浴びた栗林には、こう声をかけた。「うちのクローザーですから。『顔を上げて帰って来い』という話と、『またあしたもあるから切り替えて』と」。失うものはない。崖っぷちから全員ではい上がる。