広島3位・滝田 亡き母に感謝 最速153キロ左腕、夢かなえ涙「母が厳しく育ててくれた結果」
「プロ野球ドラフト会議」(26日、都内ホテル)
広島から3位指名を受けた滝田一希投手(21)=星槎道都大=は最速153キロの左腕。昨年5月、52歳で亡くなった母・美智子さんの遺影とともに吉報を受け、涙ぐんだ。
形見のネックレスを左手で握り締めながら「感謝しかない。母が厳しく育ててくれた結果だと思う。(天国の)母は『おめでとう』と言ってくれていると思う」。悲しみを乗り越え、プロ入りをかなえた。
6人兄弟の5番目。6歳のころに両親は離婚、母に育てられた。しかし、最愛の人が亡くなり「野球を辞めようと思った」。それでも「大きな墓を建てる」と立ち直り、昨年8月にはソフトバンク3軍を相手に6回10奪三振と好投。プロ注目選手となった。
今夏にはエスコンフィールド北海道で深夜清掃のアルバイトを経験、兄や姉からの支援も受けて大学生活を続けた。「きょうだいが多くてよかった。『支えてくれてありがとう』と5人には伝えたい」と滝田。そして母には-。声を詰まらせながら「ここまで成長させてくれてありがとう」と感謝の言葉を口にした。
◆滝田 一希(たきた・かずき)2001年12月28日生まれ、21歳。投手。左投げ左打ち。183センチ、77キロ。北海道出身。寿都高では1年春の地区大会からベンチ入りも甲子園経験はなし。星槎道都大では1年秋からベンチ入り。今年の大学選手権は初戦敗退。直球の最速は153キロ。決め球はチェンジアップ。