広島ドラ1常広「カープで野球がしたいと思っていた」 楽天と競合も赤い糸 新井監督「男前だなと」
「2023 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が26日、都内のホテルで行われ、広島はドラフト1位で2球団が競合した常広羽也斗投手(22)=青学大=の交渉権を獲得した。会議途中ながら指名直後に早速、新井貴浩監督(46)があいさつへ。黒田博樹球団アドバイザーの名前を挙げながら、指揮官から期待をかけられた大学屈指の右腕がエースへの道を歩んでいく。
その瞬間、常広の表情が笑顔に変わった。画面越しに映る新井監督が子どものように右手を突き上げて、喜びを爆発させている。赤い糸で結ばれた運命は偶然ではなく必然。12球団最速で公表してくれたカープに1位指名され「一番初めに1位指名を公言していただいた時からカープで野球がしたいと思っていた。とてもうれしい」と喜びをかみしめた。
1位指名が終わると早速、新井監督が駆けつけてくれた。“超速”で実現した異例の指名あいさつで初対面。「とても素敵な方だなと思いました」と緊張した面持ちでプロ入りを実感した。“恋人”とのファーストコンタクトを終えた新井監督も「男前だなと。実際に生で会うと顔もいいな、と感じました」と満面の笑み。「まじめで芯が強そう」とハートの強さも感じ取った。
将来的にチームの核になってほしいというのが球団の総意だ。指揮官はカープのレジェンド、黒田博樹球団アドバイザーの名前を挙げ「黒田さんのように、チームを背負ってマウンドに上がれる投手になってもらいたい。素質は素晴らしいので、なれると思います」と太鼓判を押した。
常広自身、好きなプロ野球選手の一人が現役時代の新井監督だったという。「豪快なフルスイングが魅力で本塁打(を打つ姿)がカッコ良かったです」。憧れの人の下で野球ができると思うと、胸が自然と高鳴った。
大分舞鶴高校出身で同校OBでは初のプロ野球選手。スポーツ推薦ではなく指定校推薦で青学大に進学し、直球の最速は4年間で「143キロから155キロまで上がりました」と急成長を遂げた。「外角の直球でファウルを取ってフォークで三振を取る」のが自分の投球スタイル。「マウンドではポーカーフェースと言われるが、普段は分かりやすい性格だと思う」と的確に自己分析もしてみせた。
意外にも広島を訪れたことは一度もないというが「ファンの熱量がすごくあるチーム」と笑顔。「1年目からチームの勝利に貢献できる投手になれるように」と常広。あふれんばかりの熱量で迎えてくれた球団のエースへ、未踏の地・広島から22歳の伝説が始まる。
【アラカルト】
◆生まれ 2001年9月18日、大分県大分市出身
◆サイズ 180センチ、73キロ。右投げ右打ち、投手。
◆球歴 豊府小3年時に豊府少年野球団で野球を始めると、南大分中では大分シニアに所属。大分舞鶴高では1年夏からベンチ入りした。今春の全日本大学野球選手権では明大との決勝戦で10奪三振の完封勝利。最高殊勲選手賞と最優秀投手賞の2冠に輝いた。
◆好きな食べ物 寿司。特に、えんがわ
◆50メートル走 6秒1
◆遠投 120メートル
◆好きな芸能人 ジャルジャル(お笑い芸人)
◆座右の銘 「指先で意地を出す」