広島・床田 肉体改造 今季チームトップ11勝も慢心なし 11月はパワーアップに集中
広島・床田寛樹投手(28)は30日、マツダスタジアムで自主トレを行い、来季へ向けて、パワーアップを誓った。11月はノースローにしてウエートトレーニングに集中。可動域を広げる運動も採り入れながら筋肉量を増やし、直球のキレにつなげる考えだ。今季、チームトップの11勝を挙げた左腕はさらなる進化に取り組む。
床田は自己最高となる11勝7敗、防御率2・19の好成績にも納得していなかった。
「何が良かったんだろうなと。満足感はないですね。なんで勝てたんだろう?なんで抑えられたんだろう?ってずっと思っていました」
昨年8月に右足首を骨折。キャンプからリハビリをしながら臨んだシーズンだった。満足に投げ込みができず、出力を一気に上げたため、開幕直後に左肘に痛みを覚えるようになった。5月には左肘の炎症で登録抹消された。ところが、この時期は無傷の4連勝。体調が万全ではない中で結果がついてきた。逆にシーズン終盤に左肘の違和感が取れたところで打ち込まれ、勝てない時期が続いた。
CSファイナルSで阪神に敗れた際には「このままでは来年はやられる。もっといいものを見せられるように頑張りたい」と悲壮感を漂わせた。成績以上に最後に打ち込まれた印象の方が強く残った。変わらなければいけないと考えた。
そこで11月を“ウエートトレ月間”とし、パワーアップに集中すると明かす。ボールは一切、触らず筋肉量を増やすこと、柔軟性を高めること、そして可動域を広げることに取り組むという。
「今年はツーシームに頼り過ぎた。最後はそれも通用しなくなった。もう一回、真っすぐを磨きながら、ほかの球種でカウントを取れたり、決め球にできれば幅が広がるんじゃないかと思う」
筋肉量を増やし、出力を上げることで、真っすぐのキレ、威力が増すはず。ストレートに力があれば、変化球も生きてくる。ツーシームに偏る配球から脱せる。
「体が変わって変な感じになってもそれはそれで仕方ない。このままだとどっちにしろ通用しないと思う。何か変えていければ」
近く、シーズン中に悩まされた左肘と右足首の検査を受ける予定。万全の体で来季へ向けての準備を始める。肉体改造を遂げた先に進化した“ニュー床田”が生まれると信じて鍛え上げる。