カープ新助っ人候補はレイノルズ 今季3A22発の中距離砲 シーツほうふつ守備力に定評の万能型

 広島が来季の新外国人として、今季米大リーグのレッズに所属したマット・レイノルズ内野手(32)を獲得することが16日、分かった。近日中に正式発表される。右打ちのレイノルズは内野を全て守れる万能性があり、今季は3Aで22本塁打を記録したパンチ力も兼ね備える。期待の中距離砲が攻守でチームに厚みをもたらす。

 来季、6年ぶりの覇権奪回を目指す新井カープに貴重なピースが加わる。レイノルズは二塁を本職に一、三塁、遊撃と内野全てをこなせるユーティリティープレーヤーだ。堅実な守備力には定評があり、何より二遊間を守れる点に価値がある。華麗なフィールディングだけではなく、相手打者の走力も踏まえた送球を披露できる点も魅力の一つだ。

 今季は3Aで115試合に出場し、内野全てで出場した経験を持つ。カープでは不動の二塁手・菊池が来季で34歳のシーズンを迎える。二遊間を守れる右打ちの内野手は手薄な状況。レイノルズが二塁に入れば菊池の休養を確保でき、遊撃で出場となれば今季躍進を遂げた小園が三塁に回ることも可能で、起用のバリエーションが広がる。

 ディフェンス面のみならず、打撃面の評価も高い。メジャー通算では225試合で打率・229、7本塁打ながら、今季は3Aで打率・266、22本塁打、90打点をマークした。癖のないコンパクトなスイングから力強い打球を放つパンチ力も兼ね備えている。また21年には投手として3Aで2試合に登板する場面もあった。

 堅実な守備とシュアな打撃。そのスタイルは2003~04年まで球団に在籍したアンディ・シーツをほうふつとさせる。シーツは遊撃を本職に2年間で計48本塁打、315安打を積み上げた。チームは今季、リーグ5位の493得点で日本一に輝いた阪神とは62点の差があった。レイノルズがシーツのように機能すれば、今季以上の得点力アップも見込まれる。

 チームでは長らくクリーンアップを担った西川が14日に国内FA権行使を表明した。卓越した打撃センスを持つバットマンの穴を埋めるべく、中軸打者としての期待も大きい。2位で5年ぶりのAクラス入りを果たしたカープだが、日本一の阪神とはレギュラーシーズンで11・5ゲーム差をつけられ、CSファイナルSでも辛酸をなめた。来季、頂点の座をつかむべく、レイノルズがVへの使者になる。

 ◆マット・レイノルズ(Matt Reynolds) 1990年12月3日生まれ、32歳。米国出身。191センチ、93キロ。右投げ右打ち。内野手。アーカンソー大から2012年のMLBドラフト2巡目でメッツから指名されて契約。16年にメジャーデビュー。18年からナショナルズ、ロイヤルズ、メッツを経て22年からの2シーズンをレッズでプレー。23年は3Aで115試合に出場し打率・266、22本塁打、90 打点。

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