広島の泣きどころ解消へ 育成左腕・新家颯 新井監督が高評価「いいツーシーム投げている」 サイドスローにも挑戦中
「広島秋季キャンプ」(18日、日南)
広島・新井貴浩監督(46)が秋季キャンプ最終クール初日となった18日、育成左腕の新家颯投手(20)に熱視線を送った。ブルペン投球後、本人に左打者の内角を攻める重要性を語り「グッと伸びてきつつある投手」と高評価。今季、リリーフ左腕の駒不足に陥ったチームを救うべく、来季3年目の若鯉が支配下選手登録を目指す。
チームの“泣きどころ”を救ってほしい。その可能性を秘めた新家の姿を、新井監督は見つめた。「いいツーシームを投げている。スライダーもよく曲がっている。それを左打者にどんどん使えるようになれば、すごく幅が広がるよ、という話をした」とブルペン投球後に背中を押した。
左打者の内角へ投げ込めれば、外角直球が多少甘くても打者が踏み込めなくなる利点も働く。元々オーバースローだが、現在はサイドスローに挑戦中。本人は「基本的に左打者にはサイドで投げていく。狙い通りに投げられる傾向がある」と分析し、2通りの投げ方で打者を惑わす青写真を描いた。
指揮官も「あれをモノにできたら打者はすごく嫌。スライダーも横と縦の2種類でツーシームもある。上から、いいチェンジアップを投げられるのが一番の強み。今キャンプでグッと伸びてきつつある投手」と成長株だと位置付けた。
投手陣は今季、ターリーが8月末から腰痛で離脱。9月以降、大半の試合で中継ぎ陣が全員右投手という状況になり「相手が組みやすくなる。ブルペンの左は重要。そこを作っていきたい」と新井監督はリリーフ左腕の台頭を課題に挙げた。来季3年目の新家は「支配下を目指して頑張っていきたい」。チームの課題解消の一役を担うため、支配下へのアピールを重ねていく。
◇新家 颯(しんや・そう)2003年8月14日生まれ、20歳。和歌山県出身。182センチ、83キロ。左投げ左打ち。投手。背番号126。田辺から2021年度育成ドラフト1位で広島入団。プロ通算2年間で2軍公式戦28試合に登板し2勝1敗1セーブ。防御率4・00。