広島ドラ1常広 仮契約で誓った5つの“しゃ”体現 「感謝、よっしゃ、大車輪、先駆者、Vへの使者」
広島からドラフト1位指名された常広羽也斗投手(22)=青学大=が24日、都内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1600万円で仮契約した(金額は推定)。チームの来季キャッチフレーズ「しゃ!」にちなみ「感謝」「よっしゃ」「大車輪」「先駆者」「Vへの使者」と“常広流”の「しゃ」を胸に1年目からの活躍を誓った。
金びょうぶの前に腰を下ろした表情には、自覚と責任感がにじんでいた。常広は「(プロとしての)実感が湧いてきた。1年間、1軍に帯同できる実力を持った選手になっていきたい」と決意した。
契約金では、支えてくれた両親への贈り物を購入するという。そして「たくさんの人にお世話になった。あいさつに行きたい」と「感謝」の心を持ってプロの世界に飛び込む。
チームは23日に来季のキャッチフレーズ「しゃ!」を発表した。「勝者」になるため「がむしゃら」に戦う。「しゃにむに」勝つことを考え「よっしゃ!」という歓喜をつかむ。チーム一丸で「しゃ!」を積み重ねた先の「よっしゃ!」で喜びを共有する意味が込められている。
常広の投球スタイルも、それにシンクロする。「競った場面、ここ一番では、『しゃ!』と言ってしまう。(プロの)マウンド上でも『よっしゃ!』と言えるように」。チームの旗印にマッチした投球に、期待が膨らむ。
直球の最速は大学4年間で143キロから155キロまで上がり、急成長を遂げた。外角直球でファウルを取り、フォークで三振を取る投球が得意の形だ。何よりタフな投手で、19日の明治神宮大会の準決勝・富士大戦は142球で完投勝利。翌日の決勝・慶大戦は中継ぎで1回2/3を無安打無失点。3年時には一日150球近い投げ込みを毎日繰り返したという。
「球数を投げられるようになったことが4年間での大きな成長。今後も、そこを武器にやっていけたら」とカープでも「大車輪」の活躍を描く。
大分舞鶴出身としては初のプロ野球選手。自身は指定校推薦で青学大に進み「勉強もやらないといけない学校だけど、プロ野球選手になれる。励みにしてほしい」。「先駆者」として、後輩の目標であり続ける思いだ。
6年ぶりのリーグ優勝を目指す新井カープに加わる新星は「優勝に貢献できるのが一番うれしいこと」と、「Vへの使者」としての働きにも意気込んだ。5つの「しゃ!」を体現して、広島を熱くする。
◆名前 常広羽也斗(つねひろ・はやと)
◆生まれ 2001年9月18日、大分県大分市出身
◆サイズ 180センチ、73キロ。右投げ右打ち、投手。
◆球歴 豊府小3年時に豊府少年野球団で野球を始め、南大分中では大分シニアに所属。大分舞鶴では1年夏からベンチ入り。青学大では今春の全日本大学野球選手権で決勝・明大戦で10奪三振の完封勝利。最高殊勲選手賞と最優秀投手賞に輝いた。
◆好きな食べ物 寿司。特に、えんがわ
◆50メートル走 6秒1
◆遠投 120メートル
◆趣味 特になし。「趣味がないのが悩みの一つ」
◆好きな芸能人 お笑いコンビのジャルジャル
◆座右の銘 「指先で意地を出す」