広島ドラ2・高太一 球団配慮も「開幕から1軍」 理想像は金本知憲ら広陵先輩「長く濃くやりたい」 指名8選手が仮契約
広島は29日、ドラフト2位で指名した高太一投手(22)=大商大=と大阪府豊中市内で交渉し、契約金7000万円、年俸1200万円で合意した。背番号は「22」に決まった。MAX151キロ左腕の高は「開幕1軍」を目標に掲げた。広島はこれで指名した8選手全員と仮契約を終えた。(金額は推定)
高は球団の“じっくり調整”の配慮にもはやる気持ちを抑えきれなかった。
「開幕から1軍で投げたい」
180センチ、80キロの恵まれた体格から投げ下ろすMAX151キロが魅力の大型左腕。球団では1年目からの戦力よりも、むしろその伸びしろに大きな期待を寄せる。
だが、焦らなくていい、の言葉に甘えるつもりはなかった。
「1年目は20試合くらい、ルーキーの中で一番投げられれば。そのために今を大事にしたい。ダッシュやジャンプなどボールを使わないトレーニングをして一から体を作っていこうかと。プロ野球選手と比べたらまだまだ線が細い。体重は90キロくらいに。この先、ポテンシャルを上げるためには体を大きくするのが一番だと思う」
仮契約を終えたばかりだが、すでに頭の中にキャンプまでのプランは出来上がっていた。冬の間、ボールを使う練習はせずに徹底的に体を鍛え上げる。
プロでの目標を問われれば「長年プレーできて、愛される選手。記録より記憶に残る選手に。長く濃くやりたい」と話した。イメージは母校・大商大の先輩、斉藤明雄。横浜(現DeNA)で601試合に登板し、128勝133セーブを挙げたレジェンドだ。
「長くやって引退するときに惜しまれるような選手が目標です」
そのために必要な選手像も頭にあった。元広島、阪神の金本知憲や同僚となる野村といった母校・広陵の先輩たちだ。
「野村さんも金本さんも人柄あってこそだと思う。実績もすごいですけど、それ以上に人間性を見られて愛される選手だと思う。そういう選手を目指していきたい」
大学ではリーグ戦通算29試合で12勝0敗。“負けない男”でもある。その秘けつも人間性だと言う。
「チームメートから“高のために”と思ってもらえるような選手でありたい」
高にはルーキーイヤーから1軍で躍動する姿は見えている。あとは理想に向かって突き進むだけだ。
◇高 太一(たか・たいち)2001年7月26日生まれ、22歳。愛媛県出身。180センチ、80キロ。左投げ左打ち、投手。広陵、大商大を経て23年度ドラフト2位で広島から指名を受ける。広陵では3年時にセンバツ出場。大商大では3年秋にベストナイン。長い手足を生かし最速151キロの直球を軸に多彩な変化球を操る。