広島のドラフト２位・高太一投手（２２）＝大商大＝が１２日、広島市内のホテルで取材に応じ、背番号２２を大切にして愛される投手になると誓った。今季までは中村奨が付け、かつては高橋建らが背負っていた背番号で、球団にとっても大事な番号だ。同学年のロッテ・佐々木や、オリックス・宮城に負けない投手になりたいとも意気込んだ左腕。２２番を自分色に染めていく。

　入団会見を翌日に控え、ユニホームの採寸や写真撮影など忙しく動きまわった。その時間は改めてプロになったと感じる瞬間でもあった。高は「昔からファンだったチームのユニホームに袖を通せるのはすごく幸せ。地に足をつけて、頑張らないといけないと思った」と充実感いっぱいに振り返った。

　自身の代名詞になる背番号は２２番だ。今季まで広陵の先輩でもある中村奨が付けていた。過去には高橋建が長く背負い、中村奨の前は中村恭が身に付けていた。自身のイメージも「中村投手」と言って白い歯をこぼした。

　球団が大事にしてきた番号。２２番を受け継ぐことは、球団の大きな期待の表れでもある。この日、初めて背番号が付いたユニホームを着た。「今から頑張っていく球団からいただいた大切な番号。しっかり似合う選手になれるように頑張りたい」。決意を新たにしたときでもあった。

　プロでの目標は明確だ。「佐々木や宮城はとんでもない存在」と尊敬の思いを言葉にした上で、同学年の２人に負けない存在になりたいと力を込めた。

　「無理だと思ったらついていけないと思う。２人に追い付き追い越せ、という気持ちでやらないとすぐに脱落する厳しい世界。刺激を与えられる選手になりたい」

　広陵時代はチームメートになる河野がエースで自身は控え投手。３年春のセンバツは、２回戦・東邦戦で４番手としてマウンドに上がった。ドラフト会議直後の会見でも「自分の持ち味は泥臭さ」と何度も言った。カープでも野球にひたむきに取り組むことで、佐々木と宮城との距離を縮めていく構えだ。

　入団会見に向けては「緊張するのでまじめに答えるかもしれない」としながら、「４年間、関西で鍛え上げられてきた。何か、かまさないといけないですね」とニヤリ。ビッグマウスを予告した。

　幼少期から憧れ続けてきたチームで、背番号２２を背負い始まるプロの道。「記憶に残る、愛される選手が幸せというか目指している選手像です」。真っすぐ、進んでいく。