広島・末包 新井監督から「『現状維持は後退』と常々言われている」「いじり返せるように頑張りたいです」
広島の末包昇大外野手(27)がデイリースポーツの正月インタビューに応じ、外野のレギュラーを奪取し20本塁打、チーム打点王を目標に掲げた。勝負の3年目。昨季は自身初の2桁本塁打となる11本を放った右の長距離砲。西川がオリックスへFA移籍したことで空いた外野の一角を、そのバットで奪い取る構えだ。以下、インタビュー(2)
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-昨季一番印象に残っている一発は。
「難しいですね。自分の中では成長がいっぱいあって、こういうホームランが打てるようになったんだなって。京セラで菅野さんから打った(8月30日・巨人戦で右越えソロ)のもそう。あれは技術的に取り組もうとしていたのが結果として出た。無駄な動きがなくて最短でバットが出た。代打で逆転3ランを打った(8月29日・巨人戦で八回に3ラン)ときも。ああいう場面で大事なホームランを打てるようになったのも精神的な部分でも成長したと思う」
-阪神とのCSファイナルSではノイジーの打球を後逸。守備で悔しい経験もした。
「阪神の優勝が取り上げられるのを見ると思い出します。その日は、試合中はいったんのみ込んでいたけど、試合後は放心状態だった」
-悔しい経験を今季以降につなげたい。
「放心状態だった僕は龍馬さんに助けてもらった。この経験を糧にして今季は取り返してやろうと思う」
-秋季キャンプの紅白戦は全試合で4番を任された。収穫は。
「自由に取り組ませてもらい、自分が考えていることをいろいろやれた。例えばタイミングの取り方だったり、トップをつくる間を大きくしてみたり。ちょっと合わなくて、そういうのが合わないということを知れた。自分が土台としているものに、プラスアルファしたいと思ったときに、それは違うんだなと思った」
-自主トレなどで新たな挑戦ができる。
「そうですね。もし知らずに自主トレでそれをやってみて固めようとしたら、全くダメになって迷っていたかもしれない。多かった実戦の中で試せて、自分に合わないということがわかったのはプラスになりました」
-自主トレでは、昨年に続きカブス・鈴木に弟子入りする。学びたいことは。
「自分の中の土台は見つかったので、それにプラスアルファできるものがあればと思っています。野球の流行はどんどん変わるので、アメリカではやっているものだったり、最先端だったりするものがあれば知りたい。誠也さんも去年は、シーズン中盤から調子を上げていった。そこの要因だったりも聞きたい。もちろん打撃フォームもちゃんと見てもらいたい」
-誠也の教え方はどういう感じか。
「僕にはわからない感じを、去年の1月は見てくれた。動画をたくさん撮って、改善点や僕が気が付かないことを教えてくれた。そういう視点がある人。めちゃめちゃ細かくはないけど、右足の軸足のずれだったり、そこがダメだから、横振りになったりするんじゃない?とか。打撃の大本を指摘してくれます」
-今回は高木と内田も新たに参加する。
「僕も去年参加させてもらって、めちゃくちゃ勉強になった。若いときからメジャーリーガーから学べて、引き出しを増やすことができるのは、本当に大きな財産。僕は26歳で参加したけど、高木は20歳で内田は19歳。そんな年齢で連れていってもらえるのは幸せですよね。ただ、去年参加して思ったのは、教えてもらっても、やるのは自分次第ということですね」
いじり返す活躍を
-チームに右の大砲は少ない。新井監督の言葉からも期待されているのがわかる。
「監督は『現状維持は後退』と常々言われている。僕自身もその思いは一緒です。今まで通りなら今年は、ホームランを11本しか打てない。もっともっと打ちたい。いろんなことを取り組んでいきたい」
-新井監督は昨季終了後、末包選手について「『30本くらいは打てる』って彼、言ってましたから(笑)。『その前に打席に立てないと打てないぞ』って言ったんですけどね」と言っていた。
「期待に応えて、いじり返せるように頑張りたいです」