広島・ドラ1常広 母手作りバッグ携え入寮 テレビなし荷物は段ボール2箱ほど「ミニマリストではない(笑)」

 広島の育成を含む新人8選手が7日、広島県廿日市市の大野寮に入寮した。ドラフト1位・常広羽也斗投手(22)=青学大=は真っ赤なネクタイを締め、母・由江さんが作った革製トートバッグを持参した。荷物は段ボール2箱程度で、テレビも持ち込まないコンパクトな入寮。野球に専念し、プロ1年目のシーズンに備える。

 チームカラーの赤いネクタイを結んだ常広は、まばゆいカメラのフラッシュを浴びながら大野寮の門をくぐった。午前8時半頃に地元・大分を出発して、4時間かけて広島に到着。寮の部屋、施設を見渡し「野球に集中できる環境がそろっていると思う。とてもワクワクします」と気持ちを高ぶらせた。

 入寮の際、手に持っていた革製トートバッグは母・由江さん手作りの代物。キャリーケースとバッグで入寮を考えていたが、それを見越したようなタイミングでバッグを「作ってくれました。軽く1泊ぐらいの時に使えるかな」と笑った。

 完成すると母から「うまくできたよ」と手渡された。小学生の頃には身の回りの物を入れる袋なども作ってもらい「筆箱とか、いろいろ作ってもらいました」と少し照れくさそうに振り返った。

 他の荷物も少なく、段ボール2箱ほどに収まった。「テレビすら持ち込まなかった。テレビを見ないんです。ゲームもしなくて。『いつも何してるんだ』って言われるんですけど、何もしていないですよ」と苦笑いした。

 今後広島で買い足したい物にも「今のところはないです。冷蔵庫は買おうと思いますが、それぐらい」と最低限にとどめる考え。自身を「ミニマリストではない(笑い)」と明かしつつ「たぶん散らかってしまうので、物が少ない方が片付けも楽になる」。部屋でストレッチが行えるスペースは確保し、身軽な環境で過ごしていく。

 年末年始は大分で過ごし、ランニングやキャッチボールで体を動かしてきた。広島での生活で楽しみにしていることを問われると「野球以外にない。野球が楽しみ」と野球に没頭する気持ちであふれている。部屋は前田健太(現タイガース)、大瀬良、森下、栗林らも過ごした104号室となり「そういう部屋に入れてとてもうれしい」と背筋を伸ばした。

 8日からは新人合同自主トレが始まる。「基礎体力が一番大切。体力面を上げていきたいと思う。カープが優勝する上で戦力になれた一年になるように、頑張っていきたい」と常広。浮かれることなく、地に足を付けてプロ第一歩を踏み出す。

 ◇常広 羽也斗(つねひろ・はやと)2001年9月18日生まれ、22歳。大分市出身。180センチ、73キロ。右投げ右打ち。投手。豊府小3年から豊府少年野球団で野球を始め、南大分中では大分シニアでプレー。大分舞鶴では1年夏からベンチ入り。青学大では2年春にリーグ戦デビュー。優勝した昨春の全日本大学選手権では最高殊勲選手賞と最優秀投手賞の2冠に輝いた。最速155キロ。50メートル走6秒2、遠投120メートル。

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