カープ栗林 古巣トヨタで原点回帰 今オフは焦らず「体作り」 スロー調整でキャリアハイ目指す

 坂道で走り込む栗林(撮影・金田祐二)
 ノックの打球を軽快な動きでさばく栗林
 練習の合間、笑顔をみせる栗林
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 広島の栗林良吏投手(27)が14日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで自主トレを公開した。今オフは原点回帰のスローペースで調整しており、チーム内での最多登板を目標に掲げた。愛知黎明高時代の後輩であるトレーナーと二人三脚で練習を積んでおり、キャリアハイの成績を目指す。

 約200メートルの長い坂道をダッシュで駆け上がると、栗林は肩で息をしながら、白い息を吐いた。「あの坂はランニングメニューで一番キツい坂だと思うし、やることによって達成感もある。この冬は自分を追い込めるように」。地元であり、古巣でもあるトヨタ自動車の施設で2年ぶりの自主トレ。慣れ親しんだ空気を吸い込み、「本当にいい場所でいい時間を過ごさせてもらっている」と充実感を漂わせた。

 今オフのテーマに「体作り」を掲げる中、焦りはない。昨年は3月のWBC出場に合わせて、ハイペースで調整。故障離脱を経験するなど、本来の投球ができなかった。その反省を踏まえて、今年はスローペース調整の方針。ベースとなっているのが、1年目オフの成功体験だ。

 「1年目はすごくスローでやらせてもらった。その感覚でできれば。慌て過ぎずに、自分のペースで開幕に合わせていければいいかなと思う」

 37セーブを挙げた1年目のオフも体作りに主眼を置き、じっくりと調整。2年目も31セーブを挙げ、ジンクスを吹き飛ばした。この日はキャッチボールで強い遠投も見せたが、「早くつくれているなという感じはない」。今オフは原点の地で、原点回帰のスロー調整となっている。

 大きな支えとなっているのが、愛知黎明高の2学年後輩で、愛知県内で治療家として活動している音川燿佑さんの存在だ。栗林が頼み込む形で今回の自主トレでは治療やトレーニング、練習相手を務めてもらっている。約2時間のはり治療は深夜まで及ぶこともある。頼もしい後輩のサポートに右腕も「めっちゃ頑張ってくれてます」と頭を下げた。

 さまざまな人の思いを背負い、今季は「チームで一番投げたい」と気合。通算100セーブにも、あと14に迫る中、「100セーブ行けたからオッケーというよりは、なんとかキャリアハイを出せるようにという気持ちしか自分は今は持ってない」と意気込んだ。酸いも甘いも味わって迎える4年目の今季。守護神の座はもう誰にも明け渡さない。

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