広島・島内 さらなる進化へカーブ挑戦 「大きい変化球がほしい」タイトル獲得しても感じた“3つ目の武器”の必要
広島・島内颯太郞投手(27)が15日、大野練習場で始まった合同自主トレに参加し、新球となるカーブに挑戦する考えを示した。昨年11月に、黒田博樹球団アドバイザー(48)から勧められたことが契機。昨季は直球とチェンジアップのみでセ・リーグ最優秀中継ぎ投手のタイトルを初めて獲得した中、さらなる高みを目指して、投球の幅を広げていく。
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チームの信頼を勝ち取った男が、さらなる進化を図る。島内は昨年、チームトップの62試合に登板。球団最多タイの42ホールドポイントで自身初の最優秀中継ぎ投手に輝いた。そこに安住せず、新球のカーブの習得に乗り出す。「ツーシーム系か、逆に大きい曲がりのカーブ系。投げてみた感覚で決めていこうかなと思う」と展望を明かした。
昨年は150キロ台後半の直球と130キロ台のチェンジアップのみでブルペンを支えた。ピンチを封じ、打者を圧倒してきた裏で「『もう1球種あれば、ここは楽だな』という場面は何回もあった。2球種でこの先、何年も活躍できるかと言われれば、ちょっと難しいかなと感じた」と“3つ目の武器”の必要性を認識していた。
そこで昨年11月、黒田球団アドバイザーに相談。カーブの習得を推奨された。「黒田さんに『ツーシームを覚えようと思います』と言ったら『カーブ系もいいんじゃないか』と教えていただいた」と説明。そして同アドバイザーから勧められた意図が、ふに落ちた。
「『ツーシーム系は打者に(タイミングが)合ってしまうんじゃないか』と。その意見に共感というか、僕もそう思った。そっち(カーブ)の挑戦もアリかなと」。過去にカットボールを投げていた時期もあった。だが、直球と同じ球速帯だったため、相手に合わせられやすい傾向も出た。それも踏まえたチャレンジで、同アドバイザーからは握りも教わった。
カーブはプロ入り前から一度も投げていない。「難しい球種。スライダー系の曲がりの大きい変化球になればと思っている。とにかくチェンジアップと反対方向の、大きい変化球がほしい」。現在の2球種の精度を保ちつつ、ツーシームと並行して習熟度を高める。
この日は合同自主トレでキャッチボールやノックなどで調整。今季は2年連続のチーム最多登板を見据える。「登板数はベンチからの信頼の証し。そこでより多く、試合で必要とされる投手になりたい」。投球のバリエーションを増やし、フル回転する準備を整える。