今年もバットで魅せます！広島・床田寛樹投手（２８）が１７日、マツダスタジアムに隣接する屋内練習場で自主トレを公開した。昨季は投手でありながら打率・２７５と出色の好成績をマーク。今季はプロ初本塁打に意欲を示した。数多く打席に立つため、本業では１７０イニングを目標にした左腕。投打でチームに貢献する。

　自らを援護し、チームの勝利にもつながる武器なら、なおさら生かしたい。床田は昨年末から母校・中部学院大で自主トレを続けていた。同期間でバットを握る機会があったかを問われると「めっちゃバッティングしてました！」と野球少年のように声を弾ませた。

　練習日には毎回３０分ほど、室内での打撃練習を欠かさなかったという。「その後にキャッチボールをすると、結構（体に）キレが出たりする。またキャンプでもやろうかなと思う」と利点を挙げた。

　打撃へのこだわりは人一倍だ。「やっぱり打ちたい。その方が僕もテンションが上がった状態で投げられる」と笑顔を見せ、プロ初本塁打への意欲には「一番打ちたい」と包み隠さず野望を明かした。

　昨季、後輩の森下がひと足早くプロ初本塁打を放った。本塁打こそないが、床田も４０打数１１安打で二塁打が４本。規定投球回に到達したセ・リーグの投手では最も高い打率・２７５と、野手顔負けの打棒を示した。

　マウンドで打撃のいい投手を相手に投げるのは「やっぱり、ちょっと投げづらい」と本音を吐露。それも踏まえ「僕もそういう選手になれれば」と“９人目の野手”としての思いを増幅させる。

　念願達成へ、本業では長いイニングを投げることが肝要になる。「試合をしっかりつくれば打席も増える。となるとチャンスも増えるので。打席にちゃんと立てるように、自分の仕事を全うできれば。１７０イニングを目指して頑張りたい」と誓いを立てた。

　この日のキャッチボールでは変化球を投げる場面もあった。「去年はずっとツーシームに頼っていた。それがなくてもいいぐらいの底上げができれば理想」。森下から握りを教わったチェンジアップに加え、変化量の少ないスライダー習得にも着手している。

　同時に下半身の安定性を求め、お尻まわりなども鍛えてきた。全ては初の２桁勝利を挙げた昨季以上の自分を目指すため。「今年ダメなら（昨年の成績は）たまたまだと見られる。今年の方が大事。いい結果を残せるように」。昨年の成績が決してフロックではないことを、投打にわたる躍動で証明していく。