黒田博樹氏 殿堂入りで「改めてカープに入って良かったな」 日米通算203勝 広島を愛し、広島に愛された男の晴れ舞台

 野球殿堂入り記念展示の前で記念撮影する谷繁元信氏(左)と黒田博樹氏(代表撮影)
 2015年3月 広島への復帰後最初の登板でガッツポーズする黒田
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 野球殿堂博物館の表彰委員会は18日、今年の野球殿堂入りのメンバーを発表し、競技者表彰のプレーヤー表彰として、広島や米大リーグで活躍し、日米通算203勝を記録した黒田博樹氏(48)と、プロ野球歴代最多の通算3021試合に出場した元中日監督の谷繁元信氏(53)を選出した。特別表彰は長く審判員を務めた故谷村友一さんが選出された。

 広島を愛し、広島に愛された男が東京の地で晴れ舞台に立った。東京ドーム内の野球殿堂博物館で行われた、殿堂入り通知式。引き締まった表情で証書を受け取った黒田氏は「今までの野球人生を振り返っても、本当に自分が選ばれてもいいのかなっていうのが、一番の感想です」と率直な思いを明かした。

 広島にとって、まさにヒーローのような存在だ。1997年に入団後はエースにまで成長し、08年からメジャーに挑戦してドジャースとヤンキースで計7年間プレー。15年に広島へ復帰すると、翌年にはチームを25年ぶりの優勝へ導いた。自身、最初で最後の優勝を現役最終年で成し遂げ、日米通算203勝を挙げた。

 「カープに入団していなければ、今日のような日を迎えることはなかったと思います」と言い切った同氏。入団5年目から5年間、監督と選手という間柄で、自身をエースへと成長させてくれた山本浩二氏の存在も挙げながら「本当に今、改めてカープに入って良かったなと感じています」と感慨に浸った。

 プレーだけではなく、決断でも見る者の心をわしづかみにしてきた。最も衝撃的だったのは14年オフの広島電撃復帰。この年はヤンキースで11勝を挙げ、FAとなっていた中、メジャー複数球団からの、一部では年俸20億円超えともされる大型契約を断り、古巣への帰還を決断した。

 「決断した時は自分の中では期限もあって、パニックだった。どういう状況でどういう判断をしたのか、ほぼ覚えてない状況でしたけど、こうやって現役生活を終えて数年たっても、ファンの方はすごく声もかけてくれる。自分の決断してきたことは間違いではなかったと改めて感じています」

 06年にもファンの熱い思いに応え、FA権を行使せずに残留。翌年のメジャー挑戦の際には涙ながらに球団とファンへ感謝の思いを述べ、海を渡った。その義理堅い人柄は今も語り草となっている。

 現在は球団のアドバイザーとして、若手の指導に熱を傾けるなど、“黒田イズム”は広島に脈々と受け継がれている。男気あふれる生きざまで腕を振り続けた男に、新たな勲章が加わった。

 ◇黒田 博樹(くろだ・ひろき)1975年2月10日生まれ、48歳。大阪府出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。上宮から専大を経て、96年度ドラフト2位で広島入団。最多勝、最優秀防御率、ベストナイン、ゴールデングラブ賞各1回。08年にFAでドジャース移籍。12~14年はヤンキース在籍。15年広島復帰。16年7月23日の阪神戦で日米通算200勝。また25年ぶりリーグ優勝に貢献。同年限りで現役を引退した。

 ◆広島・松田元オーナー「おめでとうございます。カープ球団はもちろん、日米野球界に対し多くの貢献が評価された結果だと思います。私たちは黒田さんが入団して渡米し、帰国し、そして優勝した20年間をともに過ごせたことを、大変光栄なものとして感じています」

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