広島ドラ1常広に試練 卒業へ単位取得に全力 今月2度目の帰京で調整に影響、2軍スタートの可能性も
広島のドラフト1位・常広羽也斗投手(22)=青学大=が22日、学業のため同日夜からチームを離れることを明かした。27日に合同自主トレに再合流する見込みだ。これまでも野球と勉強を両立させてきた努力家は、卒業に必要なテストに苦戦中。その影響で調整が思うように進まず、キャンプの2軍スタートも示唆した。この試練を乗り越え、開幕ローテ入りをつかみ取る。
ドラ1右腕の前に立ちはだかったプロ入り後初の壁は、プロのレベルの高さや体の不調ではなく“学業”だった。「テストにちょっと時間を取られすぎていて…。正直あんまりうまくいってないというか…」。常広はもどかしい表情を浮かべ、首をひねった。
この日、常広は大学のテストのため22日の夜から4日間、チームを離れることを明かした。大野寮へ帰ってくるのは26日で翌日からの練習復帰を予定している。合同自主トレを離れるのは、今月これが2度目。17~19日にもテストの関係で関東へ足を運んでおり、19日に行われた新人選手のマツダスタジアム初練習は不参加となっていた。
大分の進学校・大分舞鶴から指定校推薦で青学大の法学部・法学科に進学した常広。講義の日は野球部の寮がある神奈川県・相模原キャンパスから渋谷の青山キャンパスまで片道1時間かけて通学し、野球と勉強の両立を続けてきた。現在も卒業に向け、単位の取得に励んでいる真っ最中だ。
ただ本人も「とても難しいです」と漏らすほどテストのレベルは高く、その影響は野球の調整にも及び始めている。この日、ドラフト2位の高(大商大)が初めてブルペン入り。支配下指名の4投手でブルペン入りしていないのは常広のみとなった。「ブルペンに入っても向こう(関東)に帰ると感覚が戻ってしまうので」と両立の難しさを明かす。
2月1日のキャンプインが近づく中、「もしかしたらキャンプも1軍スタートじゃない可能性もある」と現在地を分析。ただ即戦力として開幕ローテ入りを期待されているだけに焦りは禁物だ。「けがだけは絶対しないように」と慎重さは失っていない。
思うように調整が進んでいないが「体の状態は良い」と手応えもある。この日もキャッチボールでドラフト3位・滝田(星槎道都大)のグラブを突き抜けるような投球を披露。ノックやランニング、ウエートも軽快にこなし、笑顔も見られた。
ブルペン入りの照準も再設定した。「キャンプ後半の沖縄(2月15日~)には、しっかり入れるように」。これまで野球と勉強のどちらに対しても、真剣に向き合ってきた常広だからこそ訪れた試練。カープの将来を担う若武者はこの壁を乗り越え、また一回り成長するきっかけとする。