カープ2軍拠点の移転&新設計画発表 松田オーナー「狭さがネックになっていた」 完成予定は29年末

 大野寮と大野練習場の移転計画に調印した(右から)松田オーナー、松本廿日市市市長、岡畠中国新聞社社長
 現在の大野練習場と大野寮
 2軍寮などが移転する「チューピーパーク」。今年までプールとして稼働する(撮影・市尻達拡)
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 広島は29日、広島県廿日市にある大野練習場と大野寮を移転、新設する計画を発表した。この日、広島県廿日市市、中国新聞社と連携協力に関する協定を締結。同新聞社が所有する「ちゅーピーパーク」内の土地を購入し、「大野ファーム施設(仮称)」を新設する。完成予定は2029年末。現施設の2・4倍となる敷地に最新設備を整え、常勝軍団の構築を目指す。

 土台からチーム力を強化していくプランの全体像が見え始めた。球団はこの日、廿日市市、中国新聞社との連携協力に関する協定を締結。松田元オーナー(72)は「敷地の狭さがネックになっていた。どういう形で改修しようか検討している時に、この話が来た。できるだけ広い土地を利用して、選手をうまく育てられるような形を作っていきたい」と、新設に至る経緯を説明しながら今後を見据えた。

 新たな拠点は大野練習場の北西に位置。中国新聞社が所有する「ちゅーピーパーク」内の土地を球団が購入し、「大野ファーム施設(仮称)」を新設する。同施設内の「ちゅーピープール」は今夏で営業を終了。新施設の敷地は約2ヘクタールで現施設の2・4倍と、環境面でのさらなる充実が期待される。

 現在の大野練習場は1980年、併設の大野寮は1984年完成で老朽化が進み、他球団よりも敷地が手狭な事情があった。「(今は)ブルペンも3人投げられるかどうか。つらい部分がある」と同オーナー。トレーニング、リハビリ面など選手の目線に立ち、設備の観点からも整備していく。

 さらに重点を置くのが分析部門。近年の日本野球はデータ分析からのアプローチで個々の課題を浮き彫りにしたり、能力を伸ばす取り組みが主流になってきた。球団が掲げる構想は「すぐ、選手と話し合える設備を作りたい」というものだ。

 例えば投手なら、あらゆる角度から投球練習の映像を撮影してデータをはじき出す。そして即座にその結果を可視化できるようにしていく。選手育成を図る上で、最も核になる部分を拡充させながらチーム全体の底上げと常勝軍団形成の礎を築く。同時に地域に根ざしたチームとしての取り組みも行う。

 具体的にはファンが選手を身近に感じられる環境づくり。松田オーナーは「ファンの人が中に入って選手と少しでも触れ合い、一生懸命練習している様子を見てもらえれば光栄」と話し、選手寮の食事をファンにも提供するプランも明かした。完成予定は2029年末。ファーム施設をパワーアップさせ、若鯉たちの大きな飛躍を後押しする。

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