カープ森下 マエケンスライダー初披露 エグイ曲がりに驚愕!打席の矢野「うわ!」腰引けた
「広島春季キャンプ」(2日、日南)
広島の森下暢仁投手(26)が2日、今キャンプで初めてブルペン入りした。1月に弟子入りする形で自主トレを行った米大リーグ・タイガースの前田健太投手(35)から伝授されたスライダーを初披露。打席に立っていた矢野を驚かせる大きな変化量を見せた。新たな武器を習得し、自身初の開幕投手へ突き進んでいく。
わずか1球でもインパクトは絶大だった。ブルペンの傾斜に立つ森下は捕手の坂倉に向かって指を横に滑らせるスライダーのジェスチャー。新たに習得を目指すスライダーは打席に立つ矢野の内角低めをえぐるような軌道を描いた。同球種を投じたのは26球中1球のみ。「いろいろ試せたらいいなと思っていた」という今年初ブルペンで、見る者に一瞬で驚きと衝撃を与えた。
「感触としては1球しか投げていないので、全然分からないです」。スライダーは1月に沖縄県内で師事した前田から握り方を教わったもので、完全習得にはまだ時間がかかる見通し。あくまで直球を軸とした上で、「投げられたらいいなという、ぼんやりとしたところ。使えるか使えないかはやっていく中で決めればいいかな」と現在地を明かす。
それでも打席で森下のスライダーを見た矢野は驚きの表情だ。「結構曲がっていた。キレも良くて、初めて見るような感じでした。あれがインコースに決まったら、そうそう打てないと思います。びっくりしました」。内角に食い込む1球を足を引きながら避け、思わず「うわ!」と声を漏らした。
森下自身はスライダーを他の球種が不調な時の代替球として使えるようにしていきたい考え。「まずは今持っているカーブ、チェンジアップ、カットボール、それがしっかり投げられたら一番いい。それがダメなときに使える球があればいいなという気持ちで、そういう球を試しているというところはあります」。困った時に頼れる武器を持つことは投球の幅の広がりにもつながるはずだ。
昨年のキャンプは右肘の手術明けで思うような調整ができなかっただけに、「今年はしっかりとした準備もできています」と充実の表情を見せる。今後は、その日の状態や気分次第でブルペンの球数を決め、状態を上げていく。
先に見据えるのは自身初の開幕投手の座。「そこを目指してやっていますし、しっかりと準備して任せてもらえるように。任せてもらえたらいいなと思います」。“マエケンスライダー”を自らのものとし、大役を勝ち取ってみせる。