広島「96」中村奨成 自己最重量ボディーで1軍合流「自分が1番ビックリ」 生き残りへ「腹くくって」外野手勝負

 背番号96となった中村奨は1軍生き残りへ打撃でアピールする(撮影・市尻達拡)
 1軍に合流し早出で外野ノックを受ける中村奨(撮影・市尻達拡)
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 「広島春季キャンプ」(6日、日南)

 広島の中村奨成外野手(24)が6日、1軍日南キャンプに合流した。2軍から昇格を果たした初日からフリー打撃では快音を奏で、1軍生き残りへ並々ならぬ思いを明かした。背番号も「22」から「96」に変更となり、打力を生かすために捕手から外野手に登録を変えて迎える今季。オフには増量にも成功し、自身過去最重量ボディーで「とにかく1軍にしがみつく」と誓った。

 伸びかけの坊主頭から汗がしたたり落ちた。黙々とバットを振り込む背番号96の姿からは決意がみなぎっていた。第2クール初日から中村奨が1軍に合流。今キャンプ初めての晴天にも恵まれ、アピール環境も整った。高卒7年目のシーズンに向けて、ただひたすらに野球へ情熱を傾ける。

 「本当に野球はまだまだやっぱり続けたいので、結果を残せるようにしっかり頑張ります。実戦も入ってくると思いますし、そこで本当に誰にも負けないぐらい活躍したいなと思います」

 落ち着き払った表情からは覚悟がにじんだ。力強い言葉に加えてプレーでも、その思いを表現。この日のフリー打撃では柵越えを連発する場面もあった。昨年10月以来の屋外での打撃となった中、「去年の終わりから2軍ですけど、いい感じのものが増えてきていた。12月、1月はそれを続けてきて。(今日は)十分打てたかなと思います」と手応えをにじませた。

 殻を破るために変化を求めた。打力を生かすため、球団に外野での勝負を直訴。「この世界で生き残りたいというのが一番強かった。キャッチャーへの思いもあったんですけど、グッと抑えて、『腹くくって今年は外野で』という思いで来ました」と明かした。

 さらにオフ期間では約5キロの増量に成功。多い時には1日5食でスケールアップに取り組み、現在の体重は自己最重量の88キロとなった。元々、細身で体重が増えにくい体質だけに「自分が一番ビックリしました」と驚きを口にする。

 一回り大きくなった中村奨を新井監督も「いいスイングしていたと思います」と評価。「彼も背番号も変わってまたね、気持ちも入れ替えていると思うんで楽しみに見ていきたいですね」と今後のアピールに期待した。

 昨季は1軍でわずか18試合の出場。オフには会沢らとともに護摩行も行うなど、危機感は人一倍強い。「レギュラーというのはこだわって。外野手は若い選手も多いですし、野間さんも秋さんとかもいる。負けないぞという気持ちで頑張ります」。厳しい戦いとなることは百も承知。目の前のアピールに魂を燃やし、1軍に生き残る。

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