広島・九里「キャリアハイをさらに良い数字に」 メジャーへの思いは 安仁屋氏「200イニングと防御率を大事にして」

 投球フォームについて話し込む九里と安仁屋氏(右)
 今春取り組むフォームを説明する九里
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 新旧の鉄腕が膝を突き合わせた。広島・九里亜蓮投手(32)がデイリースポーツ評論家・安仁屋宗八氏(79)と対談を行い、進化するために今もなお、変化を恐れない姿勢や開幕投手への熱き思いを明かした。今季が3年契約の3年目。過去にはメジャーへの興味も口にしていた右腕は、現在の思いにも言及した。

  ◇  ◇

 安仁屋氏(以下安仁屋)「九里はとにかく開幕投手を狙える位置にいるんだからね。候補として大瀬良、森下、床田、九里、その中でも上の方だからね。最初に上がるのは九里だと思うから」

 九里「先発ピッチャーとしてやっている以上は、そこを目指してやらないといけないと思います。そこを目指さずにやるっていうのは、僕は違うと思うので。そこは目指してしっかりやりたいと思っています。シーズンに入れば任された試合を、安仁屋さんが言われた通り、全部完投するくらいの気持ちでマウンドに上がりたいと思います」

 安仁屋「マウンドに立ち続ける姿勢はとても大事だよね」

 九里「行くか?と聞かれれば、僕は絶対に『行けません』とは言いませんし、『絶対に行かせてください』って言葉になります。去年のシーズン中も何回か、こういう場面があった中で、行かせていただいた試合も何試合かありました。ある程度僕の投げたい気持ちや思いは分かってくださっていると思うので。もう1イニング行かせようと思えるようなピッチャーになれるように質を上げていければいいと思います」

 安仁屋「長いイニングを投げる上では何が大事になると思う?」

 九里「まあでもやっぱり早いカウントで勝負していくことじゃないですかね。早いカウントで勝負していければ、球数も減ってくると思うので、そこが大事だなと思います。僕自身、変化球ピッチャーですけど、真っすぐは本当に大事だと思います。真っすぐの強さを求めれば、変化球も自然と生きてくると思うので、安仁屋さんからも毎年『インコースの真っすぐ、そこは大事にしなさい』と言われているので、そこに投げ込む中で、真っすぐの強さがあれば、いろんな変化球が生きてくるかなっていうふうには思ってます」

 安仁屋「わしもそう思う。やっぱりインサイドは勝負にいったら絶対に相手は詰まる。有利なカウント、ツーナッシングからドン!といった時にバッターはまず待ってないからね。わしは3球勝負が好きだった。3球勝負でどんどんやっていけば、球数も減るし、イニングは増えると思うよね。そこを大事にしてほしい」

 九里「場面によりますけど、早い勝負を有利に進めていけば、その分バッターも追い込まれていきますし、そういうところは意識してやっていきます」

 安仁屋「今年が3年契約の3年目だよね。何か意識していることはある?」

 九里「あまり考えてないですね」

 安仁屋「3年契約が切れることになれば、ないとは絶対に言えないけど、目標としたらメジャーもある?」

 九里「やっぱり野球の中では一番レベルが高いと言われているところですし、そういうところでできるチャンスがあるのならとは思いますけど、正直今はそういうことよりも、自分がどう去年よりも今年の方が良い成績を出せるのかとか、去年は防御率とイニングについては、キャリアハイだったので、そのキャリアハイを更新するためにはどうするべきかをシーズンが終わった時からずっと考えています。今回のフォームを変えたところだったり、ボールの強さを追い求めていくところを考えなから今やっているので、正直3年契約の何年目とか、あんまり考えてなくて、意識もしてないです」

 安仁屋「わしもその方がいいと思うよ。普通だったら3年契約の3年目で契約が切れる、メジャーにも行ける状態になれば『メジャーに行きたいです』という言葉が絶対に出ると思ったんだけど、それが出ないということは、すごく九里亜蓮自身が今年に懸ける思いというのが目に見えてきたね。個人的には安心したね。ところで年齢的にも上になってきて若手にはどう接している?」

 九里「ルーキーの子だったり、1軍キャンプが初めての子がいるところで、そういう選手たちは僕だったり(大瀬良)大地には話しにくいかもしれないですけど、なるべくコミュニケーションを取るようにはしています。かと言って、まだまだ若い子たちに負けられない気持ちもあるので、まだ負けてないと思って、自分も刺激をもらいながらしっかり練習できていると思いますし、僕自身もっと強くなりたい、レベルアップしたいと思ってやっているので、良い関係性、良い雰囲気でできているのかなと思います」

 安仁屋「この間ね、斉藤がインタビューをやっているのをたまたま広島で見ていて、一番優しい先輩は?って聞かれて、九里の名前が出たんだよ。すごく後輩の面倒見がいいよね。面倒を見ることはやろうと思ってやっているの?」

 九里「あんまり意識はしてないですね。僕も勉強になることはたくさんありますし、僕にない考えを持っている選手もたくさんいるので、僕自身も勉強しながらって感じです」

 安仁屋「自然だから、そういうことができる。つくってそういうことはできないからね。自然に出た優しさというのが出ているってことだよね。新井が監督になって2年目。さらに楽しみなところも多いと思っているけど、その点はどう?」

 九里「僕に関しては、新井さんが現役の時からプレーさせてもらっていますし、本当にそのときと変わらないような形で接していただいているので、本当にやりやすい。雰囲気の良いチーム状況でできていると思います」

 安仁屋「監督というより先輩というところが、新井の良いところじゃないかな。だからチームは明るい。改めて今年はどんなシーズンにしたい?」

 九里「やっぱりキャリアハイをさらに良い数字にできるように僕自身やりたいと思います。チームとしては去年はクライマックスシリーズのファイナルステージで、僕が一番最初の試合に先発させていただいたんですけど、そこから全部負けてしまって、敗退って形になってしまって、本当に悔しいシーズンになってしまったので、今年はリーグ優勝と日本一を目指して、しっかりと戦っていきたいと思っています」

 安仁屋「さっきも言ったように引っ張っていけるピッチャーだからね。やっぱり九里には200イニングと防御率を大事にしてほしいなと思うね。そしたら絶対に成績は出るから。勝ち星は運もあるからね。頑張って」

 九里「ありがとうございます。頑張ります」

 ◆九里 亜蓮(くり・あれん)1991年9月1日生まれ、32歳。鳥取県出身。187センチ、96キロ。右投げ右打ち。投手。背番号11。今季推定年俸1億4000万円。岡山理大付から亜大を経て、2013年度ドラフト2位で広島入団。プロ1年目の14年3月29日・中日戦(ナゴヤドーム)で初登板初先発初勝利。

 ◆安仁屋 宗八(あにや・そうはち)1944年8月17日生まれ、79歳。沖縄県出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。沖縄(現・沖縄尚学)から琉球煙草を経て、64年に広島入団。75年に阪神に移籍。80年に広島に復帰し、81年に現役引退。引退後は広島の1軍投手コーチ、2軍監督などを務め、現在はデイリースポーツ評論家。通算成績は655試合119勝124敗22セーブ、防御率3.08。最優秀防御率1回(75年)。

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