カープ中村奨成「野球一筋でやっていこう」酒断ち私生活にもメス 2年ぶり沖縄1軍C「すっごいワクワク」
「広島春季キャンプ」(13日、日南)
広島の中村奨成外野手(24)が13日、日南キャンプを打ち上げ、競争激化の沖縄キャンプへ決意を新たにした。背番号が22から96となり、背水の陣で臨む今季。「野球一筋」と決意して汗を流す中、キャンプ前から禁酒していることを告白した。2年ぶりの沖縄キャンプに向け、「とにかくワクワクしている」と胸を高鳴らせた。
ベクトルは全て野球に向ける。15日からの1軍沖縄キャンプ行きの切符をつかんだ中村奨は、一段と引き締まった表情でバットを振り込んだ。「野球一筋でやっていこうって強い気持ちを持って宮崎に入ってきていた」という中で過ごした日南キャンプ。行動にも並々ならぬ決意をにじませていた。
「禁酒しています。お酒は全然飲んでないです」
高卒7年目。ここまでは通算88試合出場で、昨季は18試合にとどまった。鳴かず飛ばずの状況を打破するため、グラウンド外の私生活にもメスを入れた。キャンプイン前に酒を断って野球に集中し、二日酔いの心配は無用となった。体も「軽い!」と禁酒効果を実感する。
今キャンプでは宿舎での夜間の素振りも日課になっていた。「バットを振って一日を終わるようにはしている」。その日の打席を反省し、映像などでも打撃を確認。野球漬けの日々で振り込む量は「去年よりも増えている」とテーピングを巻いたマメだらけの手を見つめた。
ただし、現状に満足感はない。今キャンプは2軍でスタートし、第2クールから1軍に昇格。10日の紅白戦では初回にいきなり痛烈な左前打を放ったものの、結果的に2試合で6打数1安打だった。「結果もひどかったし、2軍でもう一回鍛え直しだと思っていた自分もいた。それでも(沖縄に)連れて行ってもらえるので、本当に結果を出したい」と力が入る。
今年から登録が捕手から外野手に変更となった中、外野の定位置争いは熾烈(しれつ)だ。田村、久保、中村貴など、イキの良い年下選手たちが今の競争相手。「意識してないと言うのはウソですけど、意識したところで自分の持っている技術や力が出せなかったら意味がない。自分のやりたいことを第一にやりたいなと思っています」と自然体を貫く覚悟だ。
沖縄キャンプ参加は自身2年ぶり。「楽しみですね。とにかくすっごいワクワクしています。1軍に生き残りたい」。思いを形にするため、泡盛ではなくバットを手に、必死のアピールを続けていく。