カープ大瀬良 開幕は「間に合う感じ」 復肩へ術後初セット解禁「思ったよりバランスよく投げられた」
「広島春季キャンプ」(15日、沖縄)
昨年10月に右肘を手術した広島・大瀬良大地投手(32)が15日、開幕ローテ入りに前進した。沖縄での2次キャンプが始まり、ブルペンで全球種を投じて58球。術後初めてセットポジションでも腕を振り、順調な調整具合をうかがわせた。右腕は「何もなければ(開幕に)間に合うだろうという感じ」と手応えを語り、開幕投手争いに加わる可能性も出てきた。エースが着実に階段を上がっている。
汗ばむほどの陽気に包まれた沖縄で、シーズンへの道が開けた。最高気温は25度。大瀬良は半袖姿でブルペンの一番右端に立った。「真っすぐ!フォーク!もう1球いきます」。明るい表情で小気味良く腕を振り、調整のギアを一段上げた。手応えは上々で「このまま何もなければ(開幕に)間に合うだろうという感じ。そのまま行ってくれるように、体の準備を怠らずにやりたい」と声を弾ませた。
計58球は術後最多。スライダー、カットボール、カーブ、ツーシーム、フォーク、チェンジアップと、全球種をちりばめて腕の振りなどを入念に確認した。「体が動くので気をつけながら“慣らし”の意味合いもあったけど、途中から気にせずしっかり投げられた。やっぱり暖かい方が体がしっかり動く」と充実の表情を見せた。
手術明けを考慮し、首脳陣からは焦りは禁物と言われてきた。1月の自主トレからオーバーペースになり過ぎないよう細心の注意を払って調整。だからこそ、ここに来て上昇カーブを描けた。「想定通りと言えば想定通り。本当にプラン通り(段階を)一つも飛ばすことも停滞することもなく、やりたいことを日にち日にちでやれている。それの積み重ねが今、できている感じです」と明かした。
今後、さらに状態を上げてステップを踏んでいけば、開幕投手争いに加わる可能性もある。新井監督は右腕の調整具合にうなずき、「開幕ありきじゃないけど、(開幕に)間に合ってくれるに越したことはない」と期待を込めた。
大瀬良は31球目から、術後初めてセットポジションを解禁。「もうちょっとバラけるかなと思ったけど、思ったよりバランスよく投げられた。次回は強度を上げて、そのバランスで投げられるように」と次回のチェックポイントを挙げた。
次は再度のブルペン入りを予定する。100球弱を投げるプランで「球数をもう少し増やして、どれぐらいか。70球、100球ぐらい投げて体の反応を見て。問題なければ対打者に移行していけるかなと思っている」。覇権奪回に欠かせない大黒柱。完全復活に向けて、視界は極めて良好だ。