カープ九里 3・29開幕投手決定 新井監督伝えた「今年任せたぞ」 11年目で初の大役つかんだ
「広島春季キャンプ」(16日、沖縄)
広島・九里亜蓮投手(32)が11年目で自身初の開幕投手を務めることが16日、決まった。新井貴浩監督(47)が本人に通達したと明かした。広島の開幕投手は昨季まで5年連続で大瀬良が務め、今季は大瀬良、床田、森下が候補だった中で九里に決まった。昨季、リーグトップの174回1/3を投げたタフな右腕が、3月29日・DeNA戦(横浜)の先発マウンドに立つ。
チームの“顔”と呼べるまでに成長した男が、渇望していた開幕マウンドに上がる。3月29日・DeNA戦(横浜)での今季初戦は、九里亜蓮に託された。「『開幕投手は亜蓮でいくので任せたぞ』と言っていただいた。先発投手として、やらなければいけないと思っていた場所。選んでいただいたからには、いい準備をして持っているものを100%出し切れるようにやっていきたい」と鼻息を荒くした。
この日、新井監督が本人を呼んで直接伝えた。指揮官は九里自身の、あふれんばかりの心意気があったと明かす。
「やっぱり彼も大地(大瀬良)と同級生で同期入団。ずっと大地と争ってここまで成長してきていると思う。こちらも、彼本人が開幕戦に行きたい気持ちを感じる。キャンプ初日からブルペンに入って投げ込んでいる姿とかを見てね。彼のここ数年の目標だったと思うし、そういうふうに感じているので『今年任せたぞ』と伝えました」
広島の開幕投手は昨季まで5年連続で大瀬良が担った。その大瀬良はここまで順調な調整ぶりを示すが、右肘手術明けという側面もあった。九里は大瀬良と同じ2013年度ドラフトでカープに入団し、同い年で互いに高め合ってきた存在だ。新井監督はその大瀬良も含め、候補だった床田と森下に個別で九里を開幕投手にする旨を伝えた。
昨季は26試合に投げて8勝8敗、防御率は2・53。特筆すべきは投球回で、174回1/3はセ・リーグで最も多かった。開幕投手は春先、各球団のエース級との顔合わせが多くなる金曜日のカード頭で投げていくことになる。だからこそ、タフさが売りで常に長いイニングを投げ切れる九里の存在は頼もしい。
DeNA戦は昨季4試合に投げて1勝2敗、防御率3・86。横浜スタジアムでは昨年8月22日に9回7安打無失点で完封勝利を挙げた。その一戦で球団では、09年大竹以来のシーズン3完封という快挙も達成。新たなシーズンでも強力ベイ打線封じに期待が高まる。
この日はキャッチボール、投内連係などで汗を流した。15日にはブルペンで120球を投げ込む姿もあった。「開幕まで一日も無駄にすることなく、できることをやっていきたい」と九里。誇りを胸に新井カープ2年目の初陣を飾ってみせる。