「練習試合、広島４－０ロッテ」（１７日、コザしんきんスタジアム）

　研ぎ澄ました集中力と脚力で、球場を熱気に包んだ。走塁で存在価値を高められるのも、魅力の一つ。途中出場の広島・中村奨成外野手（２４）が本盗を決め、首脳陣に猛アピールだ。

　六回２死。相手の左翼手が打球を見失うラッキーな三塁打で出塁した。その後２死一、三塁となり次打者への２球目に一走・久保が二盗を試みた。捕手が二塁へ送球した瞬間、中村奨は迷わずスタートを切って本塁へ。重盗の形で追加点をもたらし「捕手が（二塁に）投げるだろうなと想定していた」。捕手経験を生かした予測と自慢の俊足で１点をつかみ取った。

　この走塁には新井監督も「一瞬の判断で隙を突いていく集中力もあったと思う。思い切りがないと、あのタイミングでスタートは切れない。全ての面でアピールしてやろうというのが伝わりました」と絶賛した。八回は１死から中前打。盗塁＆マルチ安打と躍動し「今年初めての対外試合、とにかく積極的にいこうと。いいアプローチができた」と中村奨。開幕１軍を目指す戦いは、まだ始まったばかり。兼ね備える武器を惜しみなく披露して、必死にしがみつく。