元阪神・井川氏が感じた新井カープ2年目の強みとは 「投手からすると嫌な打者が多い」
「オープン戦、中日0-10広島」(23日、Agreスタジアム北谷)
阪神で活躍しメジャーでもプレーしたデイリースポーツ評論家の井川慶氏(44)が、中日と広島のオープン戦を視察。大勝した広島打線の強みと、チーム力の高さを分析した。
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広島が大勝したわけですが、誰か一人ということではなく、皆、ストライクゾーンに来たボールに対して積極的に手を出しますし、追い込まれてからも非常に粘り強い。その上でパンチ力もあるので、投手からすると嫌な打者が多いという印象ですね。この日は中日の投手陣が全体的にボール先行になっていましたが、広島の各打者が打者有利のカウントの中で、甘くきたボールをしっかりと仕留められていたことが、結果に表れたのではないでしょうか。
侍ジャパンにも選ばれている田村選手は、聞いていた通りに振りが鋭く、打球も非常に強い打者だなと。もし僕が田村選手と対戦するなら、インコースを見せて外を攻めるという配球がいいのかなと考えながら見ていましたが、それでも甘く入ったら仕留められるだろうなという雰囲気を感じましたし、いい打者だなと思いましたね。
チーム全体に目を向けると、たとえアウトになるタイミングであっても、全員が一塁まで全力で走るし、細かなプレーでも手を抜かない。できることをしっかりやるというところも、いいチームだなと感じました。
昨年の開幕前の時点では、正直、広島が2位になるとは予想していなかったです。戦力を見た時に、例えば個の強さはDeNAの方があるのかなと思っていたところで、広島にはそれを上回るチームとしての強さ、力みたいなものを感じましたし、雰囲気も良いのだろうなと。
大敗した試合でも、選手が最後まで前向きにプレーしているところを見た記憶がありますし、しかもそれは、選手がやらされてやっているのではなく、自発的にそうやってプレーしている印象を受けました。新井監督効果、と言いますか、そういった意識付けを新井監督が1年目からされていたということでしょう。
この日の試合後、新井監督とも少しお話しさせてもらいました。西川選手が抜けた中で、空いたポジションを争う選手の競争意識が非常に高いということをおっしゃっていましたが、まさにそれを感じることができた試合でした。新井監督の2年目、今後の戦いが非常に楽しみです。