「広島春季キャンプ」（２７日、沖縄）

　期待のホープ、広島の田村俊介外野手（２０）が、メンバー選出されている３月の侍ジャパン強化試合で一流からの打撃理論吸収に意欲を示した。「いろんなことを聞いて、自分が成長する場にしたい」。“聞き魔”となって、もう一皮むけ、開幕スタメンをつかみ取る。

　臆せず聞きまくる。今回の侍ジャパンメンバーの中では最年少。さらに日の丸を背負うことは学生時代も通じて「初めて」という中、「自分から積極的に聞きに行きたい」と気合を入れた。

　チームメートにはヤクルト・村上やソフトバンク・近藤ら昨年のＷＢＣでも活躍した左の強打者がいる。「いろんな球団のすごい選手ばかりが集まる。自分の感覚と照らし合わせて勉強したい」と胸を高鳴らせた。

　今キャンプでは外野のレギュラー候補としてアピールに成功した。対外試合初戦となった１７日の練習試合・ロッテ戦では初回に２ラン。２３日の中日とのオープン戦では３安打２打点で気を吐いた。「自分のやるべきことがしっかりできた１カ月だった」と充実感を漂わせた。

　３月のオープン戦からは秋山らが１軍に昇格してきて、競争は一層熾烈（しれつ）になる。「僕が秋山さんや野間さんを抜かさないといけない。それぐらいの気持ちでいる」と田村。沖縄の温暖な気候に誘われて期待の新芽はまた一つ、つぼみを大きくした。