広島・ケムナが手術後初の対外試合で1回0封2K! 2段モーション封印で負担軽減の新フォームに手応え
「教育リーグ、広島1-2阪神」(3日、由宇球場)
昨年9月に受けた「右肘関節内遊離体および骨棘(こっきょく)切除」からの復活を目指す広島のケムナ誠投手(28)が3日、阪神との教育リーグで術後初の対外試合に登板。五回からマウンドに上がり、1回1安打無失点、2奪三振の好投。昨季までの2段モーションから変更したシンプルなフォームにも手応えをつかみ、復帰への階段を一段ずつ登っていく。
はじけた笑顔が順調な回復ぶりを示していた。術後初の対外試合は無失点。ケムナは仲間とハイタッチしながらベンチに下がった。「投げられる幸せは感じてやっています」と、復活への大きな一歩に充実感を漂わせた。
五回から登板。先頭の遠藤から直球で三振を奪い、上々のスタートを切る。続く高寺には安打を許したが、福島は直球で差し込んで左飛。最後は野口を変化球で見逃し三振に仕留めた。術前と遜色ない力強い投球を「全体的に良かった」と納得顔で振り返った。
今季から取り組んでいる新フォームにも手応えありだ。昨季までの2段モーションをやめ、シンプルなフォームに変更。理由を「去年、肘に(負担が)きていた。いかに肘を早く上げるかを追い求めた結果、今のシンプルなフォームになった」と説明し、形は固まりつつある。
フォーム変更は他にもメリットを生み出した。「打者の反応を見ても差し込めている。力感以上に球も走っている」。この日投じた15球のうち、ファウルを3球、空振りを2回奪うなど、内容からも収穫を得た様子だ。
昨年9月の手術以来、一歩ずつ階段を上ってきた。「同じ手術をした方に(復帰過程は)一進一退だと聞いた」とケムナ。「明日の肘の反応を見ながら、コーチやトレーナーと話し合って調整法は決めていきます」と今後も慎重な姿勢は忘れず、復帰を目指していく。