広島アドゥワ 1699日ぶり先発星 堂々5回1失点 故障に苦しんだ18年V戦士5年分うれし勝った

 逆転勝利で今季初勝利を挙げた広島ナイン(撮影・伊藤笙子)
 好調DeNA打線に立ち向かう広島・アドゥワ誠(撮影・佐藤厚)
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 「DeNA1-5広島」(31日、横浜スタジアム)

 広島のアドゥワ誠投手が(25)が5年ぶりに先発し、5回3安打1失点で連敗中だったチームに今季初勝利をもたらした。先発では2019年8月6日のDeNA戦以来、1699日ぶりの白星。2戦連続で本塁打を献上していた度会も無安打に封じ、新外国人のレイノルズとシャイナーが離脱した緊急事態で奮闘した。

 チームと自身の今季初白星をつかんだアドゥワはぎこちなさを残しつつ、マイクの前で言葉を発した。5年ぶりの先発で久々のヒーローインタビューは「良かったです」を連発。カメラマンからポーズを求められると、ウイニングボールではなくトレーニング用のカラーボールを掲げた。雌伏の時を経て、2018年のV戦士が再び脚光を浴びた。

 「全体的にすごく悪かった。狙った所に1球もいってないレベルで」。最大級の自虐を交えるほど制球は乱れた。課題の立ち上がり。初回、二塁打と四球で2死一、三塁のピンチを迎え、宮崎に適時二塁打を食らった。

 チームが開幕から連敗する中で立ったマウンド。重圧はなかったというが、「投げていてひどいなというのがあった。何とか五回まで投げられてよかった」と、喜びよりも安堵(あんど)感が勝った。

 勝利をたぐり寄せる上で鍵となったのが“度会封じ”。開幕から2戦連発の大型新人に対して、1打席目から低めの変化球勝負を敢行。「真っすぐは強いと知っていたので極力投げなかった」。17日のオープン戦で2安打された経験も踏まえ、3打数無安打に封じた。

 高卒2年目の18年には中継ぎで53試合に登板し、チームのリーグ3連覇に貢献。順調な成長曲線を描いていたが、20年に右肘を手術し、21、22年は1軍での登板はゼロに終わった。厳しく、つらい時を過ごし、投球フォームを上手投げからスリークオーター気味に変化させた。先発再挑戦のアピールが実り、開幕ローテの6枠目に滑り込み、初登板で結果を残した。

 右腕の好投に新井監督は「よく頑張ってくれた」とにっこり。「自分は選手としても一緒にプレーしているので彼のことは分かっているし、すごく考え方が成長した。野球に懸けているというか、本人がつかんだチャンスで良いものを見せてくれた」とここまでの歩みにも目を向けた。

 両助っ人が離脱する中、今季初勝利を“第6の男”が運んできた。それでも勝利の立役者は出待ちのファンから送られた大きな歓声と拍手に控えめに手を上げ、早くも次回に向けてスイッチを切り替えた。

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