広島・松山が代打V撃!新井監督采配ズバリ!!今季初3連勝 上本は同点打!

 8回、右中間へ2点タイムリー二塁打を放った松山は力強くガッツボーズする(撮影・市尻達拡)
 8回、上本は右前タイムリーを放つ(撮影・市尻達拡)
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 「広島6-3ヤクルト」(4日、マツダスタジアム)

 広島が逆転勝ちで今季初の3連勝を飾った。3点を追う七回に1点差に詰め寄ると、八回は上本崇司内野手(33)が同点の右前適時打。さらに代打・松山竜平外野手(38)が勝ち越しの2点適時二塁打で試合をひっくり返した。この日は中村奨、久保と若鯉をスタメンで起用するも不発。中盤まで苦戦が続いた展開を、中堅とベテランが救った。粘り強いカープは今年も健在だ。

 舞い上がった打球が外野の芝生で弾む。その瞬間、本拠地が揺れた。松山は両手を懸命に伸ばして、最後は右手一本になりながら白球に食らい付いた。「僕らしいヒットが出たと思う」。割れんばかりの歓声を受けながら二塁に到達すると、一塁ベンチへ両手を突き上げた。

 八回。同点に追い付くと、なおも2死一、三塁の好機に代打で登場。嘉弥真の外角スライダーを捉えた。「軌道も目に焼き付いたんで『何とかなるだろう』と。外野も前(前進守備)じゃないし、ちょんと当てればいいかなと」と強振せず運んだ打球は右中間への2点適時二塁打。今季初安打は値千金の決勝打になった。この頼れるベテランはもちろん、中堅・上本も大逆転勝ちを支えた。

 1点を追う八回2死一、二塁で右翼線への同点適時打。前の打席まで3打席無安打だったが、新井監督に代打の選択肢はなかったという。「崇司で行くと決めていた。(打席に入る前に)崇司がこっちを見ているから『お前よ、お前よ』と。迷いなく任せたぞと」と信じて送り出した。

 指揮官の起用に上本は「死んでも打たないといけないなと思いました」と奮い立つ。指揮官の執念采配と、ナインが一体となってつかんだ大きな1勝。背番号0は「何点差離れていても『逆転しよう』という言葉が出ている」とカープの粘り強さの要因を明かした。

 この日は中村奨を今季初、2年目の久保をプロ初スタメンに抜てき。2人の若鯉に快音は聞かれず中盤までは相手先発・高橋奎に苦戦が続いた。「この経験を次につなげてほしい」と新井監督は背中を押す。厳しい試合展開だった中、最後は実績ある上本、松山が救った逆転劇に意味があった。

 殊勲の松山はチームが休日だった1日に田村と打撃練習を行った。自主トレをともに行う後輩は開幕から無安打。時間を共有し、助言も送った。まな弟子は2日の一戦で今季初安打。自分も若い頃、先輩に助けられた経験がある。

 「色んな人に話を聞いて(技術を)身につけたというのはあるので伝えていけたらなと。スタートで出ているベテランは、みんな頑張っている。僕はその中で1打席ですけど、チームの力になれるようにまた、あしたから頑張りたい」。若手、中堅、ベテランが融合しての白星を契機に新井カープが上昇気流に乗る。

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