カープ野球だ!適時打1本だけで5点 菊池激走併殺崩れで勝ち越し→ディレードスチールの間に三走・矢野ホームインで追加点
「広島5-1DeNA」(17日、マツダスタジアム)
これぞカープ野球じゃ!!広島が一発&適時打なしで勝ち越しに成功し、2連勝とした。同点の四回は併殺崩れの間に勝ち越し点を入れると、2死一、三塁から一走・菊池涼介内野手(34)がディレードスチールを敢行。一、二塁間で挟まれる間に、三走・矢野雅哉内野手(25)が本塁を陥れて追加点を奪取した。これでチームは4位タイに浮上した。
“渋い”攻撃にファンは酔いしれた。相手の見せた弱みにチクチクと刺さるプレーを重ねての快勝劇。明確な打のヒーローはいない。つないで隙を突くというカープ野球の真骨頂を見せた勝利に新井監督は「良い点の取り方をしていると思う。全員野球で頑張っていく」と充実感を漂わせた。
積極性が結果に結びついた。1-1の四回だ。相手先発・浜口の2者連続犠打失策などもあって、1死満塁の好機を迎えると、菊池が放った遊撃への併殺崩れの間に、三走が生還して勝ち越しに成功。結果的にこれが決勝点となった。
さらに2死一、三塁で一走・菊池がディレードスチールを敢行。一、二塁間での挟殺プレーの間に、三走・矢野が勢い良く本塁に突入してヘッドスライディングで生還を果たした。「(捕手が二塁へ)投げた瞬間に『いける』と。いける準備はしていた」と矢野。相手にダメージの残る形で追加点を入れ、「あそこの1点が本当に大きかったと思うので良かった」と胸を張った。
記録上は一走・菊池の盗塁死の間に三走・矢野が生還したというもの。菊池は「矢野がしっかりスタートを切ってくれたのが一番の要因」と後輩をおだてながらも、「“らしい”点の取り方だったんじゃないかなと僕は思う。打てなくても、なんとか点を取ってという野球は3連覇の時も、ずっとやってきたこと。それが久しぶりにこういう形で点が取れて、『あぁいいな!』って僕は思った」と手応え。16~18年の黄金期と比較しながら、こよいの攻撃にうなずいた。
昨季から植え付けてきた積極的に次の塁を狙う走塁意識は、着実に芽吹いてきている。この日も計3度の盗塁失敗があったが、新井監督は「いつも積極的に仕掛けている。隙があったら何かやってやろうと思っているし、それは自分だけでなく、選手とも意思の疎通ができている。今日のダブルスチールもそう。すごく良いことだと思います」と目を細めた。
これでチームは2連勝となり、DeNAと並んで4位タイに浮上。長打がないなら、足でかき回す。カープ野球とは何かを思い出させる勝利で、さらに勢いに乗る。