カープ二俣 感謝のプロ初安打 一塁ベース上で“師匠”巨人・岡本から「おめでとう」
「広島0-0巨人」(19日、マツダスタジアム)
打球が三遊間を割るとドッと歓声が沸いた。一塁ベンチではナインがそろって両手を上げて、記念球の返却をアピール。一塁上でたたずむ広島・二俣翔一内野手(21)は笑みをこぼし、代走を送られてベンチへと戻ると先輩たちとハイタッチを交わした。高卒4年目でのプロ初安打。記念のボールを握りしめた育成出身の若武者は周囲の支えに感謝した。
「1、2年目はケガで2軍の試合にもなかなか出られない時があった。本当に球団のスタッフやトレーナーの支えがあって今があると思う。今考えると、そのリハビリ期間も無駄な時間ではなかったなと」
0-0の八回1死から代打で登場。マウンド上の高梨には12日の同戦で空振り三振に打ち取られていた。「絶対に打ってやる。リベンジするという思いで(打席)に入った」。強い気持ちをバットに込め、打球は三遊間を破っていった。
このオフには巨人・岡本和に“弟子入り”。自主トレを一緒に行うことは、岡本和の多忙によりかなわなかったが、連絡先を交換し、動画などを送って助言を受けた。この日、安打を放った先の一塁ベース上で2人は“再会”。師匠から「おめでとう」と声をかけられた二俣は「和真さんの前で打てて良かったなと思います」と恩返しにも成功した一打を喜んだ。
勝利を飾ることができずとも、新たな若ゴイが威勢良く跳ねた。
◆二俣 翔一(ふたまた・しょういち)2002年10月21日生まれ、21歳。静岡県出身。180センチ、74キロ。右投げ右打ち。内野手。磐田東から20年度育成選手ドラフト1位で広島入団。22年オフに支配下登録。打撃の成長が著しい高卒4年目。プロ初出場は24年4月4日・ヤクルト戦(マツダ)で代打。