広島・小園が2戦連続V撃! 首位・阪神連倒で3位浮上!!4番で初適時打
「阪神1-3広島」(8日、甲子園球場)
広島・小園海斗内野手(23)が同点の八回に決勝の右前適時打。2試合連続で4番に座り、2試合連続で決勝打を放った。1軍昇格即「5番・右翼」で出場した末包昇大外野手(27)も左前適時打を含むマルチ安打と好発進。チームは連勝で勝率5割に復帰して3位に浮上。鯉のぼりの季節がやってきた。
コンパクトに振り抜いた鋭い打球が一、二塁間を抜けた。小園は二走の二俣がホームを踏むのを確認すると、二塁上で渾身(こんしん)のガッツポーズ。「大地さん(大瀬良)が頑張っていたので、なんとか勝ちがつけられて良かった」。2試合連続で4番起用された中での初適時打が、2試合連続決勝打となった。
同点の八回にゲラを攻め立てた。1死から二俣が四球で出塁。ここで菊池がセーフティー気味のバントを決めて2死二塁。小園は「プレッシャーもあったんですけど、しっかり期待に応えたかった」と打席を迎えた。
初球の155キロを空振りし、タイミングを早く取ることを意識。「決めにいこうと強引にならず、冷静にいけたのが良かった」と、1-1からの低めのスライダーを右前に運び、最高の仕事をしてみせた。
7日の同戦から4番に座っているが、心掛けていることは変わらない。「どの打順に入っても、つなぐだけだと思っている。僕自身、やることは変わらないので」。目指すのはカープらしい“つなぐ4番”。頼もしい23歳が打線の中心にいる。
この回、1点では終わらなかったのが試合の流れをさらに引き寄せた。なおも2死二塁で、打席にはこの日1軍に昇格し、四回にも二塁打を放っていた末包。「小園が良い流れで回してくれた。バットを短く持って、真っすぐに絞っていました」と、バットを折りながら左前に運び、貴重な追加点を生み出した。左膝のけがで開幕から約1カ月遅れての合流となったが、「一本出たので開幕できた」とマルチ安打発進に安堵(あんど)の表情を浮かべた。
新4、5番を中心とした打線の勝負強さを新井監督は絶賛。「よく打ったと思います。若い選手もみんないいものを見せてくれて、いい一日だったですね」と躍動した選手をたたえ、笑みがこぼれた。
この日の勝利で、昨季は2勝9敗1分けと苦しんだ甲子園で4連勝を達成。3カードぶりの勝ち越しで勝率5割に復帰し、3位に浮上した。それでも指揮官は「まだまだそこ(勝率5割)はあまり意識していないです。一試合一試合ですね」と足元を見つめた。鯉のぼる5月。投打の歯車がかみ合い始めたチームが、さらに勢いを加速させていく。