広島・末包 「打ってないことはない。打線を線に」得点力不足解消だ 師匠・鈴木誠也の助言で左膝故障から復帰即マルチ
あんたが大将!!広島の末包昇大外野手(27)が9日、得点力不足に陥る打線を“点”から“線”にしていく覚悟をにじませた。1月終わりに左膝内側半月板を損傷して出遅れたが、8日・阪神戦(甲子園)で1軍に昇格し、いきなり適時打をマーク。大きな存在感を示した大砲は師匠からの金言も胸に突き進む。
大外からまくる-。キャンプイン時にそう宣言して早や3カ月がたち、末包にようやく有言実行の時が訪れた。8日・阪神戦(甲子園)から1軍に昇格。末脚をためてチームの輪に飛び込むと、いきなり適時打を含む2安打1打点の活躍を見せた。巻き返しへのゲートは開き、鼻息荒く先を見据えた。
「長打力不足、得点力不足と言われていますけど、打ってないことはないと思う。そこで打線を“線”にするようにしたい。その間に(自分が)入れたらいいなと思いますし、投手が良いので。そこを助けてあげられるように打点を稼ぎたいなと思います」
現在、チーム打率・226と総得点数81はともにリーグワースト。一方で投手陣に関しては全体の防御率が2・39でリーグ3位、救援の防御率に限れば1・98で阪神に次ぐリーグ2位という好成績を残している。大砲の復帰を足がかりに次は攻撃陣がもり立てたいところだ。
末包はキャンプイン直前に左膝を痛めて、キャンプは全日程を2軍で消化。ウエスタンでも23試合の出場で打率・218は決して胸を張れるものではない。それでも7日の2軍戦で今季1号を放つと、すぐさま声がかかった。「あんな成績で上がって、上(1軍)でも打てませんって言ったら…」。期待と重圧を力に変え、翌日の1軍戦で昇格即結果を残した。
ファームでなかなか打撃状態が上がらなかった要因は「結局はタイミングと間合い」。新井良太2軍打撃コーチから日々助言をもらう中で、1月に自主トレを共にした米大リーグ・カブスの鈴木誠也にも相談した。
師匠からは「去年普通にできていたことをどうやって普通にやるか。地に足つけて下半身でもっとやったら」と原点回帰のススメを授かり、上昇への気配が漂いだした。さらに1軍昇格直前には元チームメートの巨人・長野からも電話が。「何してるの?って。そしたら2日後に(1軍へ)上がりました」。吉兆の電話をくれた大先輩との1軍舞台での再会も心待ちにしている。
出遅れたとはいえ、シーズンはまだ序盤だ。「ようやくシーズンが始まった。ここからが勝負」と背番号52。逆襲へ-。快進撃への準備は整った。