広島 中村奨成はこのまま終わってしまうのか 名伯楽・内田順三氏の視点「いい選手なのは間違いない」現状打破への課題も指摘

 広島17年のドラフト1位・中村奨成外野手(24)が1軍の壁に苦しんでいる。今季は2軍で打率・283、3本塁打、11打点。一方、1軍では4月上旬にチャンスが与えられたものの、4打数無安打で登録抹消となった。今季からファームに参入したハヤテ223で打撃アドバイザーも務めている打撃の名伯楽、内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)の目にはどう映るか。現状打破への課題を探る。

 ◇ ◇

 彼の打席をじっくり見る機会が多いわけではないが、やっぱりファームでは存在感がある。いい選手なのは間違いなく、バランスも取れている中距離打者。変化球の対応もできているし、コンタクト率もいい。技術は問題ないし、光るものはものすごくあるよ。

 ではなぜ1軍で活躍できないのか。カープは5年周期で選手を入れ替えていくので、彼は7年目。カープの関係者に聞いても、「彼だけを特別に使うわけにはいかない」と言っていた。プロは段々とチャンスが少なくなり、1軍では3、4打席を与えられ、結果が出なければファームとなる。カープには他にいい若手も出てきているからね。

 彼に求めたいのはがむしゃらさ。監督の新井が現役時代にコーチをしていたが、昭和の野球で過酷な練習をさせられる中で、どんなことでも立ち向かう姿勢があった。4番になっても、一塁にヘッドスライディングしていたからね。まわりが見えなくなるような、そのくらいの姿があってもいい。

 このオフは護摩行に取り組み、キャンプでもバットを振り込んでいた。煩悩を消そうとしていたとは思うが、1軍でも打席でボールに強く踏み込んで立ち向かう、その中でボールの距離をつかんでほしい。綺麗な野球じゃなく、がむしゃらに、答えが出なくても全力でプレーを続けていくことが大事だろうね。

 彼に火をつけるような指導の仕方も必要かもしれない。選手のタイプによっては「くそ、内田の野郎、やってやろうじゃないか」と引き込ませるようなコーチングスタイルをする時もある。彼に限らず、やってるつもり、変えてるつもりではダメ。結果も出ないといけないし、覚悟が行動に表れないといけない。

 甲子園で6本もホームランを打ち、ドラフト1位でファンの期待感も大きい。トレードや現役ドラフトで環境を変えたらいいのではないかという声もあるけど、まだまだカープの選手として伸びしろもある。夢中になって、現状を変えてほしいね。

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