広島“天敵”攻略 末包が東洋大後輩・村上から3ラン「いい投手から打てた」 4連勝けん引し貯金4 首位と0・5差

 3回、村上から2号3ランを放つ末包(撮影・立川洋一郎)
 3回、末包は3ランを放ち両手を合わせる(撮影・市尻達拡)
 3回、3ランを放った末包(52)を祝福する新井監督
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 「広島6-2阪神」(21日、マツダスタジアム)

 虎のしっぽは目の前じゃ!広島の末包昇大外野手(27)が2戦連発の2号3ランを含む2安打3打点。今季はチームの“天敵”だった東洋大の後輩・村上の攻略に貢献した。末包がけん引した打線は今季初の3試合連続2桁安打で、今季最長タイの4連勝。同最多の貯金4として、首位・阪神に0・5差まで迫った。22日の首位攻防第2ラウンドも制して首位を狙う。

 高々と舞い上がった打球がバックスクリーンに吸い込まれた。末包は大歓声を背にダイヤモンドを悠々と一周。「いい投手から打てたのは、自分にとっても自信になる」と満足顔で振り返った。

 2点リードの三回。1死から小園、坂倉の連打で一、三塁となり打席を迎えた。1-1からの3球目。真ん中のフォークを逃さなかった。「低めで空振りを取ってくるプランだと思っていた。球種は関係なく甘い球を振りにいこう」と自慢のパワーでアーチを描いた。

 この日がプロ初対戦となった村上は東洋大時代の2学年後輩。一時期は同部屋で苦楽を共にした右腕との対戦を「結構楽しみにしていた」と明かす。

 村上は大学卒業後にプロ入り。末包は大阪ガスを経てカープに入団した。「入り方は違えど2人ともプロになれましたし、1軍の舞台で活躍するのは楽しみにしていた」。昨季は村上が快投を続ける中、対戦の機会はなかった。「去年、甲子園で会っても『今日出ないんですか』とか言われていた。ようやく対戦できて良かったです」と感慨深げだった。

 初対戦となった二回無死は初球のスローカーブを引っ張り込み、左翼線への二塁打。2打席目で2戦連発となる2号3ランを放つと、五回2死は四球を選んだ。「あっちはMVP。今日たまたま打てたのは良かったですけど、次回の対戦できりきり舞いにされないように」と笑顔。謙虚に次回対戦を見据えた。

 8日から1軍に合流し、9試合連続でスタメン出場中。その間、チームは7勝2敗と存在感は増すばかり。新井監督は打線に長距離砲が加わったことで「相手バッテリーも嫌だと思う。長打があると思ったら慎重になる。プレッシャーが違う」と分析。チームにもたらす好影響を口にした。

 末包の活躍もあって、この試合まで今季の対戦防御率0・39と抑え込まれていた村上を5回9安打5失点でKO。打線は今季初の3試合連続2桁安打をマークして、今季最長タイの4連勝と勢いは止まらない。

 首位・阪神とは0・5差。2試合連続のお立ち台を「明日も勝ちます」と力強い宣言で締めくくった末包。鯉の大砲が豪快な一振りで、チームを首位に押し上げる。

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