広島・新井監督 連夜の1点差負けも紙一重 食らいついた!サヨナラ機つくった!「自信にしていい内容」
「広島1-2阪神」(23日、マツダスタジアム)
広島は阪神に競り負けて2連敗。ゲーム差を2・5に広げられた。八回に相手の失策絡みで1点差に迫り、九回も1死一、三塁と攻め込んだが、代打・松山が二ゴロ併殺に倒れた。首位攻防3連戦は負け越したが、新井貴浩監督(47)は「紙一重のところまでいっている。自信にしていい内容」と昨季覇者を追い詰めた戦いぶりを収穫と捉えた。
劇的なフィナーレを期待する球場の声援が、ひときわ大きくなった。1点を追う九回1死一、三塁。広島ベンチはとっておきの代打・松山を投入したが、結果は二ゴロ併殺。あと1点及ばなかった。それでも新井監督は「負けはしたけど本当にみんな頑張ってくれて、紙一重のところまでいっている。相手は去年の日本一チームなので、自信にしていい内容だった」と粘りを称賛した。
劣勢の展開でも誰一人、ファイティングポーズを崩していなかった。九回は相手の抑え・ゲラを攻めて1死から矢野が左翼線への安打で出塁。続く石原が左前に運び一、三塁と追い詰めた。長打ならサヨナラという見せ場をつくり、松山が打席へ。しかし軍配は三塁ベンチに上がった。指揮官は「こればっかりは結果なので。またあした試合があるので『次へ、次へ』と思って準備をしてもらいたい」とベテランの悔しさをくみ取った。
わずかな差が勝敗を分けた。1点を追う四回は2死一、二塁で坂倉の右翼への打球を森下が背走しながらグラブに収め、得点を阻まれた。2点差の八回は2死一塁で菊池の左前打をノイジーが後逸。野間が一気に本塁へ生還し、反撃の機運が高まった。その後2死一、二塁と一打逆転の好機。ここで坂倉の放った打球は右前へ落ちると思われたが、二塁・中野が好捕してスタンドはため息に包まれた。
前夜に続き、ビハインドの状況でも終盤まで必死に各自が食らい付いて接戦に持ち込んだ。その粘りを感じたからこそ、指揮官は「悔しいけど、紙一重のゲームだったなと思います」とうつむくことなく前を向いた。
首位攻防3連戦の初戦は昨季のMVP右腕・村上を攻略して先勝。22日は相手の抑え・岩崎を追い詰めた。結果はカード負け越しとなったが、粘り腰で全員が挑んだ姿は今後につながっていく。
七回1死一塁の守備ではミスも出た。中野の打球を処理した坂倉が無人の一塁へトスしてしまい、追加点につながった。(記録は内野安打と坂倉の悪送球)。坂倉は問いかけに応じずロッカーへ引き揚げた。新井監督は「慣れていないポジションだからだと思う。慣れていないポジションで起用しているのは自分なので」と責任を背負わせなかった。
24日からは敵地でDeNAと3連戦。昨季王者と互角に渡り合える手応えを刻みながら、横浜から再び上昇気流に乗る。